軟調な動きの株式市場は、相場の「潮目」の変化か否か?

2021/04/23

今週の株式市場は、これまでのところ軟調な展開が目立っています。20日(火)と21日(水)の日経平均はそれぞれ前日比で584円安、591円安となり、両日の下げ幅が1,000円を超えたほか、節目の29,000円台や75日移動平均線を下回っています。
翌22日(木)の取引は反発してスタートしているものの、75日移動平均線は約3カ月間の値動きの中心線を意味しており、ここを明確に下回るのは、ちょうど先日までの上昇相場が始まった昨年10月末以来です。つまり、早期に75日移動平均線を回復できないと、中期的な上昇基調が一旦ストップする可能性があります。
株価下落の背景にあるのは、国内外で広がる新型コロナウイルスの感染状況への警戒です。これまでは、米国などをはじめとするワクチン接種の進展による経済正常化に目が向かっていましたが、インドや中南米をはじめ、世界規模で見た感染者数は過去最多水準に達しているほか、日本国内でも緊急事態宣言が検討されており、本格化する企業業績の見通しが慎重になるのではとの見方が強まっています。
米国株については、NYダウやS&P500 などが直近で史上最多値を更新していただけに、まだ利益確定売りの面がありますが、足元の好業績はすでに織り込まれており、決算で強気の見通しやサプライズの上振れがないと上昇基調を続けるのが難しくなりそうです。
日本株については、ひとまず日経平均28,000円が目先の下値メドになりそうです。日本取引所グループが毎週公表している「投資部門別売買動向」を見ると、今年に入ってから売り越しが目立っている投資主体は投資信託と信託銀行ですが、その中でも信託銀行は1月第2週から4月第1週までずっと売り越しを続けています。
かなり荒っぽい見方ですが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などは信託銀行を通じて株を売買しているため、GPIFの動きが信託銀行の買い越し・売り越しに表れていると考えることができます。GPIFは株や債券などの資産組み入れ比率の上限が決められており、株高の局面が続くと、保有している株の資産価値が上昇して組み入れ比率の上限を超えてしまうため、そのリバランスを目的に株を売却する場面が増えます。
信託銀行が売り越しはじめた1月第2週の日経平均が28,000円台前半ですので、逆にこの株価水準まで下落すると買い越しに転じることも考えられ、需給面での支援材料になりそうです。
とはいえ、同じ需給面で言えば、最近までの株高によって売りポジションがかなり少なくなっており、下落局面での買い戻しのサポートがあまり期待できず、もう一段下値をトライする可能性もあるため、しばらくは神経質な相場展開が続きそうです。

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