再び日経平均は18000円台を目指す展開に
今年もいよいよあと1週間となった。年の瀬も間近に迫り、慌ただしい時期であるが、残りの日々を有意義に過ごしたいものだ。
さて、11月のモデルポートフォリオの状況ならびに、現状のマーケットを展望してみたいと思う。
11月のマーケットは日米市場ともに高値更新の展開となった。
米国市場は続伸し過去最高値を更新。世界的な金融緩和の流れや10月の米雇用統計が+21.4万人と予想の+23.5万人を下回ったものの回復基調が続いていることで安心感。米中間選挙での共和党勝利による「ねじれ解消」も好感された。11月のドイツの景気予測指数は前月から上昇し、欧州経済の減速懸念も和らいだ。また、ターゲットやベストバイなどの小売り関連企業の好決算でクリスマス商戦への期待も高まった。一方、原油先物市場は70ドルを割るレベルまで急落。11/27現在におけるダウは17827ドルと前月より436ドル上昇し月間騰落率は+2.5%。ナスダックは4787となり156ポイント上昇の+3.4%となった。
日本市場は大幅に続伸し日経平均は年初来高値を更新した。10月31日に突然発表された日銀の追加的金融緩和で為替が111円台から118円台まで下落した。消費増税先送りと衆議院解散も好感された。一方、7-9月のGDPが年率-1.6%と予想の+2.2%を大きく下回ったが、一時的なものと受け取られ、悪影響は限定的だった。売買代金は連日で2兆円超えの活況に。11月の日経平均は17459円で取引を終え、10月末の16413円から1046円上昇し月間騰落率は+6.4%。またTopixは+5.8%上昇した。一方、小型株市場はジャスダック平均が+4.4%、マザーズ指数は+8.6%となった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」における11月のパフォーマンスは+5.3%となり、年初来は+4.2%(10月末-1.1%)、累計では+149.8%(10月末+137.2%)と過去最高値を更新。保有株式のウェートは10月末の87%から90%へ増加。ヘッジ戦略をおこなっていないためネットロング比率は90%となった。ポートフォリオにおいて新高値を付けた銘柄が先月の7銘柄から14銘柄へと増加した。
11月は10月末の日銀の突然の追加的金融緩和の流れを引き継ぎ、買い意欲旺盛の展開となった。消費増税先送りに加えて衆議院の解散も想定されていないシナリオであったため、マーケットにとってはポジティブに働いた。マーケットが下がれば日銀のETFが買い出動、キャッシュポジションの高まっている個人投資家も買い出動、今年のNISA枠の消化の買いが入り、需給は非常に引き締まった状況となった。加えて、金融緩和にもかかわらず増税が見送られたことで、日本市場はまさに「いいとこ取り」となった。
12月に入ってからは、米雇用統計が予想を大きく上回ったことや7-9月の日本のGDPが上方修正される期待があったことで日経平均は18000円台を目指すと思われていたが、GDP改定値がまさかの下方修正となったことでムードが悪化。加えて原油相場の急激な下落への懸念が広がった。11月までは原油安は好感されていたが、さすがに50ドル台まで下落すると不安へと変わった。
原油安、ルーブル安によるロシア不安、欧米株式市場の下落により日経平均は12月16日には16755円を付けた。その後は徐々に買戻しの展開となっている。為替は一時115.50円まで上昇したが再び120円台に戻している。
米国の金融緩和政策が滞りなく継続されるとの表明や景気拡大により、米国市場がいち早く値戻しする現象が日本株市場にも波及している。原油安やルーブル安はまだ収束しているわけではなく、引き続き注視が必要であるが、次第に市場は落ち着きを取り戻すと見られ、年明けからは海外投資家も参戦するだろう。
あと残すところ営業日数は5日となったが、日経平均は年内に18000円台を達成する可能性が高まってきた。引き続き運用資産の積み上げに邁進していきたい。
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