- 3月は2ヶ月連続でベンチマークを大きくアウトパフォーム
- 4月の戦略ポートフォリオは10銘柄の入れ替え
3月は2ヶ月連続でベンチマークを大きくアウトパフォーム
3月は月末に日経平均で1500円も急落したため、株式のリターンが非常に悪い印象があるかもしれない。確かに、日経平均の月間騰落率は4%のマイナスと大きな下落となったが、それでも月間リターンの起点である2月末日も日経平均は1100円安となっているので発射台が低く、その分、これでもまだ下げが小さくなっている。
最近は日経平均に対してTOPIX優位の展開が続いているが、TOPIXの3月のリターンはマイナス0.9%程度である。しかもこれは配当を含まない裸のリターンであって、配当込みTOPIXのリターンはわずかにプラスの0.22%であった。当ポートフォリオのベンチマークである配当込みTOPIX500のリターンはほぼ横ばいのプラスの0.09%であった。
それに対して戦略ポートフォリオの3月のリターンは1.61%と2ヶ月連続でベンチマークを大きくアウトパフォームした。運用開始以来9ヶ月の累積リターンでは10%弱の差がついている。
3月のパフォーマンスに寄与したのは、IHI(7013)、トプコン(7732)、八十二銀行(8359)、東京海上ホールディングス(8766)、JT(2914)、サンリオ(8136)、関電工(1942)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、コスモス薬品(3349)、丸井グループ(8252)など。この中に、3月に新たに組み入れた東海上ホールディングスと丸井グループが入っているが、銘柄入れ替えが奏功したと言える。
一方、マイナス寄与は、OLC(4661)、信越化学工業(4063)、ZOZO(3092)、日立製作所(6501)、任天堂(7974)、フジクラ(5803)、リクルートホールディングス(6098)、アドテスト(6857)などである。
4月の戦略ポートフォリオは10銘柄の入れ替え
さて、4月の戦略ポートフォリオだが、3月にパフォーマンスが振るわなかった上記の銘柄のうち、フジクラとZOZOを除外する。あとのOLC、信越化学工業、日立製作所、任天堂はコア銘柄で長期投資なので、忍耐強くHOLDする。難しいのはアドバンテストである。はっきり言って、AIバブルは終わったと思うし、実際、パフォーマンスの足を引っ張っているのはこの銘柄なのだが、相場がリバウンドした場合、この銘柄をもっていないとマーケットについていけないので、市場との連動の観点から保有を続ける。AI関連では上述の通りフジクラを外す。
3月の銘柄入れ替えでリターンに貢献してくれた東京海上ホールディングスと丸井グループも除外する。ワンポイント・リリーフとしての役割だ。今後もそのような使い方をするかもしれない。除外銘柄を整理すると以下の10銘柄である。
一方、入れ替えで組み入れる銘柄は以下の10銘柄。
無形資産のファクターリターン効果が戻ってきており、再び人的資本や組織資本の代理変数である人件費や販管費に着目して銘柄を選択した。その他、4月の外国人の買い越しアノマリーやトランプ関税の影響を受けない内需という観点も考慮した。トヨタ自動車(7203)の組み入れはトランプ関税の悪影響一服となることに賭けた。また、最終的には米国のゼネラルモーターズ[GM]、フォード[F]対比でもトヨタ自動車の優位性が評価されるだろうと思う。最後に、高知銀行(8416)は新たに就任した女性頭取に期待したい。