アベノミクス第二幕の局面入りに
桜の開花宣言がそろそろおこなわれる季節。株式市場は暖かな春を通り越して、連日熱気を帯びている。東証一部の売買代金は2兆円超、新興市場も1000億円超という状況が続いており、あの遠く昔のバブルの頃の感覚が久々に実感として蘇ってきたというのが正直なところである。
さて、2月のモデルポートフォリオのご報告である。
2月のマーケットは日米市場とも値動きの荒い展開となった。
米国市場は3ヵ月連続の上昇となり、NYダウは14000ドルを回復して史上最高値に迫った。しかしながら、スペインの財政再建問題を巡る不安、金融緩和策の早期縮小や打ち切りへの懸念、イタリア総選挙の先行き不透明感などから乱高下の激しい展開であった。一方で、マクロ経済指標は今月も総じて堅調な数字が多く、雇用統計、小売売上高、新築住宅販売件数、住宅価格指数、貿易統計など予想を上回る内容となった。2月のダウは14054ドルで取引を終え194ドル上昇し月間の騰落率は+1.4%。ナスダックは3160ドルとなり18ドル上昇の+0.6%となった。
日本市場は7ヵ月連続上昇し、小泉郵政改革以来の記録(05/5~06/1の9ヵ月連続上昇)となり、1日の売買代金も4年4ヶ月ぶりに2兆円を上回る活況となった。ただし、日経平均は約500円の幅で乱高下を繰り返す展開となった。為替も対ドルで90円~94円のレンジを激しく動いた。イタリア総選挙の混乱による欧州債務問題への懸念が再燃したことは新たな火種となった。一方、次期日銀総裁に黒田アジア開発銀総裁が着任することが確実となり、強力な金融緩和政策への期待は高まった。2月の日経平均は11559円で取引を終え、先月末の11138円から421円上昇し月間騰落率は+3.8%。Topixも同じく+3.8%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+3.2%、マザーズ指数は+7.9%となった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」の2月のパフォーマンスは+1.1%となり、年初来は+7.8%(1月末+6.6%)。累計では+71.9%(1月末+70.1%)と着実に運用資産は積み上がり、過去最高値を今月も更新。ただし、逆指値のヒットにより保有株式のウェートは1月末の60%から2月末は57%へとやや低下した。ヘッジ戦略は現在おこなっていないため、ネットロング比率は1月末の60%から2月末は57%へと減少。
2月においては日経平均は2010年4月5日につけた11408円を超えたものの、円安トレンドの一巡感が出て、やや小康状態に入った。いわゆるアベノミクスへの期待によるマーケット全体の底上げが一服し、第一弾の織り込みは終了。
そして、3月に入り日経平均が12000円を達成するとともに、リーマンショック前の水準を回復し、昨年来高値を更新する展開となっている。再び円安トレンドとなっており、市場参加者の買い意欲は高まっている。NY市場は連日の過去最高値を更新している。
すでにアベノミクス第二幕の局面入りである。ここからは今までのテーマ相場的な色彩から業績相場的な銘柄選別が強まっていくと考えられる。すでに企業実力値を織り込んだと思われる銘柄が増えたが、まだ「さほど」の銘柄も数多くあるため、そうした銘柄群は底上げされていくであろう。
今は運用資産を積み上げる時。弊社の投資講座のキャッチフレーズである「資産運用力の向上で人生を上方修正しよう!」をぜひとも皆様にも体現していただきたい。