FM 今月のポイント(2017年 4月)
*トランプラリーの収束が鮮明になりつつあります。3月月間のNYダウ工業株 30 種平均株価は149 ドル安と5カ月ぶりに下落しました。昨年 11 月にトランプ氏が大統領に当選してから初めての月間マイナスです(3月 31 日のダウ平均終値は前日比 65 ドル 27 セント(0.3%)安の2万 663 ドル 22 セント⇒ニューヨーク連銀のダドリー総裁やセントルイス連銀のブラード総裁などの緩やかな利上げペースを示唆する発言が相次ぎ、米長期金利が低下(価格は上昇)、金利低下が収益の重荷となる金融株を中心に売りが優勢となった:NYダウはトランプ氏が当選後に騰勢を強め、1月下旬に史上初めて2万ドルの大台に乗せた。昨年 11 月から今年2月までの上昇幅は合計で2,700 ドル弱。トランプ大統領が1月の就任直後から規制緩和を推し進める大統領令を連発し、「親ビジネスの政権運営」との見方が株式相場の追い風となっていた)。転機は看板公約だった外国人の入国制限令を巡る混乱やオバマケアの代替案撤回によって、政策の実行力に対する不透明感が拡大したことです。このままではマーケットが期待する大幅な減税や大規模なインフラ投資の実現性に疑問符が付きまとうことになります。トランプ政策(積極的な景気刺激策)への期待が萎みつつあることは米国長期金利の推移を見れば明らかです。3月 13 日に 2.63%まで上昇していた 10 年債利回りは3月末には 2.38%まで低下しています。国内株式市場もトランプ相場の収束を懸念して上値が極めて重い状況が続いています。日経平均株価は3月2日に今年の高値となる 19,668 円を付けた後(一時は2万円大台突破が期待された)、一進一退を繰り返しながら3月末には 19,000 円大台が割れた状況で終了しています。
*さて、新年度相場です。思い返せば 16 年相場は年度末を挟んで 7 日連続安を記録して投資家心理を大きく落ち込ませました。その後、ブレグジット、トランプ大統領の誕生と想定外の連続で極めてボラティリティが高い1年でした。今年度も基本的にはボラタイルな状況に変わりは無いと思います。マーケットの主旋律はあくまでトランプ相場ですが、4月・5月はフランス大統領選、その後も欧州では重要な国政選挙が続きます。東アジア、中東における地政学的リスクの高まりも見逃せません。本当の意味でのトランプリスクの顕在化も大きな焦点となるでしょう。しかし、当面は大きな悲観論に与する必要は無いと思います(1月~3月までに比べてリスク度は高まっている⇒きめ細かいオペレーションが必要になる)。米国景況感が改善を続けており、中国経済も底打ちから反転に向かいつつあると思われ、当面は世界経済の落ち込みを想定しなくて良いからです(FRB も今後年2回の利上げを想定)。トランプ政策の滞りから上値が極めて重い状況が続くと思われますが、下値も堅いと考えて良いでしょう。外国人投資家の売りスタンス(3月第2週から1兆 6000 億円の売り:現物+先物ベース)が直ぐに転換するとは思われませんが、国内投資家の待機資金は極めて豊富です(個人投資家も機関投資家も 11 月以降、売り上がりを続けている)。新年度相場は極めて狭いレンジ相場からスタートしそうです(当面は日経平均株価 18,500 円~19,500 円を想定)。
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