FOMC~19年(特に前半)の政策スタンスは?
- FF金利を2.25-2.5%へ引き上げました。良好な雇用環境と目標近辺のインフレ率に照らしての判断です。
- 実質GDP成長率とインフレ率の見通しが下方修正され、利上げの累積的効果が認識され始めています。
- 19年前半まで利上げのシナリオを維持しますが、今後は、実際の景気動向に影響されると考えます。
景気減速を意識し始めた?
12月18-19日、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれました。政策金利であるFF金利の誘導水準が0.25ポイント引き上げられ、2.25-2.5%となりました。良好な雇用環境が維持されていること、インフレ率(ここではPCE価格指数)が政策目標の+2%に届いたことを受け、これまでの委員会メンバーの見通し通りに、利上げが判断されたと見られます。
FOMCメンバーの経済見通し(3、6、9、12月発表)によると、実質GDP成長率は、18年が+3.1%から+3.0%へ、19年が+2.5%から+2.3%へ下方修正されました(20年、21年はそれぞれ+2.0%、+1.8%で変わらず)。また、インフレ率は、18年が+2.0%、19~21年が+2.1%であったものが、それぞれ+1.9%、+2.0%と全期間0.1ポイント下方修正されました。
また、FF金利誘導水準は全体的に下方修正され、1回・0.25%分低下しました。アムンディは、19年前半に2回・0.5%の利上げ、2.75-3.0%で打ち止めと予想しています。FOMCメンバーの見通しと同じです。見通しが景気減速方向に変化したことは、利上げの累積的な景気抑制効果が当局に認識され始めたことを示しているといえます。
足元の景気動向により敏感に
利上げを受け、市場は金利、株価共に低下しました。金利は特に長期金利の低下が目立ち、19年も利上げを継続するという金融当局の姿勢に警戒感を示したと見られます。
景気減速が当局に意識され始めたことで、今後の会合は、利上げ継続可能性により傾斜した議論になっていくと見込まれます。雇用、インフレ率に頭打ちの動きが見られれば、さらに姿勢が慎重化することも考えられます。
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