インドの金融政策~4会合連続据え置きで為替、株価は?
- インフレ率の安定を受け、政策金利を6.25%で据え置きました。法定流動性比率を引き下げました。
- インフレ率は、当面やや下振れしますが、年末にかけて目標中心付近での推移が予想されています。
- 年後半は、GST発効で経済活動の効率性向上も期待され、通貨、株価には追い風となりそうです。
インフレ率低下受け、政策に余裕
RBI(インド準備銀行)は6-7日、MPC(金融政策委員会)の会合を開き、政策金利であるレポレートを6.25%に据え置きました。16年10月の利下げ以来、4会合連続の据え置きです。一方、法定流動性比率(SLR:Statutory Liquidity Ratio)を、20.5%から20%に引き下げました。同比率の引き下げは今年に入って1月に続き2回目です。
RBIは、インフレ率の安定(4月CPIは前年同月比+2.99%と12年以降では最低)を受け、利下げが有り得るとの見方もある中で、政策の安定性を優先しました。しかし、SLR引き下げによって、経済活動は刺激されそうです。RBIは、今後のインフレ率について、17年度(日本と同じ4~3月)前半は2.0-3.5%、後半は3.5-4.5%と予想、それぞれ4.5%、5%としていた従来予想から引き下げました。今回の政策金利据え置きは、インフレ率がやや下振れする中でも、好調な経済を背景とした潜在的なインフレ圧力に配慮しつつ、政策に余裕を持たせた形になりました。
改革進展も加わり、市場環境は良好
通貨ルピーは、年初以来対ドルで強く、対円でも底堅く推移しています。また、企業業績の好調さと先行き期待の高さから、代表的株価指数のセンセックス指数は、4月末頃に30,000ポイントに乗せてからも堅調です。
7月からGST(Goods and Service Tax:物品・サービス税)が発効し、全国の間接税体系が統一されます。これにより、インドの経済活動の効率化が促され、成長性を高めることが期待されています。余裕を持った金融政策スタンスと、モディ政権が推進する経済構造改革が実体を伴って進展していることがあいまって、インドは高い成長期待と共に、良好な市場環境が今後も維持されそうです。
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