国内GDPの反応
今週の国内株市場は、地政学的な緊張の高まりで急落した先週末から一転し、日経平均は節目の15,000円台を回復、その後も比較的堅調に推移しています。お盆休みで取引参加者が少なく、「閑散に売りなし」を地で行っているような印象です。もっとも、地政学的な状況は小康状態で、特にウクライナ情勢はロシアへの経済制裁を通じた欧州経済への影響も懸念され、先行きの不透明感が燻っています。
また、今週は13日(水)発表の4-6月期の国内GDPが注目イベントとなっていました。その結果ですが、前期比でマイナス1.7%、年率換算でマイナス6.8%となりました。事前の市場予想では年率換算でマイナス7%超というものもあり、一部で下振れも警戒されていたため、予想よりも悪くなかった結果を受けて株式市場の反応はひとまず限定的に留まりました。
とはいえ、株式市場の限定的な反応は、予想の範囲内というサプライズがなかったことによるものと考えられるほか、前回(1-3月期)の結果についても、前期比のプラス1.6%を1.5%に、年率換算のプラス6.7%を6.1%に下方修正しており、足元の景況感が良くないことがあらためて確認された格好です。次の消費税率の引き上げ判断がこれから控える中、7-9月期にどこまで回復できるかが焦点となってきます。
先週で国内企業の決算シーズンがピークを越えましたが、消費増税の影響が心配されながらも、企業業績は全体的に堅調だったというのが概ねの評価となっています。要は、「景況感のマクロ環境がイマイチでも、業績のしっかりした企業の株は買える」というリクツで決算銘柄が物色されてきたと言えます。ただし、さらに今後も企業業績を材料に株価を上げていくには、業績の上方修正が必要になってきますが、こうした期待を先取りして株を買っていくには、景況感の改善が欠かせません。
今回のGDPの結果そのものに対して、株式市場が大きく売られる展開にはなりませんでしたが、引き続き国内景況感の悪化を示す指標などが相次げば、国内要因による株価の押し上げが難しくなる可能性があります。そのため、内閣改造や臨時国会召集といった政治イベントが予定される中、具体的な政策への期待や、日銀の追加緩和期待などが相場のテーマとして浮上してくるシナリオも想定しておいた方が良いかもしれません。
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