シキボウ(3109)の通期決算は、売上高は輸出衣料事業の好調を背景に、増収。営業利益はシキボウ堺の新工場建設による先行費用、基幹システム更新のための情報システム投資費用の増加により、減益

2025/06/16



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説明会開催日:2025年5月29日
代表取締役 社長執行役員 尻家 正博氏
執行役員 鈴木 睦人氏

 

◎決算概要
・売上高は前期比1.0%増の390.87億円、営業利益は5.8%減の13.46億円
・売上高は輸出衣料事業の好調を背景に、増収
・営業利益はシキボウ堺の新工場建設による先行費用、基幹システム更新のための情報システム投資費用の増加により、減益
▽繊維セグメント(売上高は前期比1.4%増の201.84億円、営業利益は2.42億円)
・好調な中東向けの輸出衣料事業に加えて、ユニフォーム事業の回復などにより、前年度から大幅に利益改善し年間を通じての営業利益黒字化は2018年3月期以来7期ぶり
▽産業材セグメント(売上高は前期比0.2%減の134.68億円、営業利益は65.9%減の1.89億円)
・産業資材部門については、カンバス事業、フィルター事業ともに、1年を通して利益面で苦戦
・機能材料部門については、化成品事業においては、食品分野は堅調に推移しているものの、原材料価格、エネルギーの高騰など製造コストの圧迫により、利益面では低調に推移
・シキボウ堺の新工場建設は、予定どおり1月末に竣工し、生産増強体制が整った
・複合材料事業においては、航空機エンジン部材の受注は順調に回復していたものの、顧客都合による生産・出荷調整などの影響を受けた
▽不動産・サービスセグメント(売上高は前期比3.5%増の61億円、営業利益は0.1%増の19.80億円)
・姫路、高知のショッピングセンターをはじめとした安定的な不動産賃貸事業に加えて、シキボウリネン岩出第一事業所の新工場本格稼働などにより、リネンサプライ事業も業績に大きく寄与

 

◎2025年3月期業績予想および配当予想
・売上高は410億円、営業利益は13億円を予想
・2026年3月期の配当は中間配当を実施し、年間合計の1株当たり配当金は50円を予想

 

◎前中期経営計画 「ACTION22-24」の振り返り
▽基本方針
①経営基盤の強化
・シキボウ堺やシキボウリネンの新工場建設など製造基盤強化を進めた
・台湾やベトナムなど海外販売拠点の整備を行った
・ノンコア事業であるゴルフ場や陶磁器事業の株式譲渡を実施しポートフォリオの見直しによる事業の効率化・構造改革を進めた
②次の革新的成長に向けた取組
・繊維事業のサステナブル素材の開発や、
中央研究所の複合材研究など次世代の成長に向けた研究を進めている
③サステナビリティ経営への取組み
・繊維事業の「ビオグランデ®」や「彩生®」、「コットレジン®」など環境対応商材の開発を進めた
・他の事業においても、様々な社会課題解決につながる商材の開発を進めている
・従業員のやりがいや働きやすい職場づくりに向け、エンゲージメントサーベイを実施し、職場環境の改善や制度の見直しを進めた
・GHG排出量削減への設備投資として、長野事業所、シキボウ堺に太陽光発電設備を設置するなどの取組みを進めた

 

◎シキボウグループの中期経営計画「TG25-27」
▽めざす姿
①「従業員が自分のありたい姿を実現するために、仕事を通じて成長し、安心して働ける職場環境を目指します」
②「繊維で培った技術やサービスを通じ、社会課題解決や、お客様の安心・安全・快適な暮らしの実現をめざします。」
③「環境や人権に配慮した製品・サービス、ものづくりで、持続可能な社会の実現をめざします。」
▽基本方針
①稼ぐ力の向上
②新中核事業の成長・拡大
③経営基盤の強化
④サステナビリティ経営への取組み
▽数値目標
・2030年の売上高を550億円、営業利益36億円とし、それに向かって、ギアを上げていく3ヵ年計画
▽2027年度セグメント別の売上高・営業利益目標
・繊維セグメントでは売上高256億円、営業利益9億5千万円
・産業資材セグメントでは売上高77億円、営業利益3億円
・機能材料セグメントでは売上高90億円、営業利益5億5千万円
・不動産・サービスセグメントでは売上高62億円、営業利益19億円
(新中核事業の事業拡大により、今回の中期経営計画から、産業材セグメントを、産業資材セグメントと機能材料セグメントに分けて表示)
▽事業戦略
<繊維セグメント>
・繊維のリサイクルや環境対応素材など、サステナブル素材の販売拡大
・海外・国内の生産拠点を連携し、効率的な生産体制を構築
・生産設備強化のための設備投資
・海外拠点を活用しグローバル販売を拡大
・研究機関や他社と連携して新規商材を開発し新市場に販売
<産業資材セグメント>
・国内生産体制の効率化と販売強化
・海外事業の販売拡大と収益力アップ
・空気清浄装置分野での生産体制見直しとメンテナンス事業の拡大
・現有設備と技術を応用した新規分野、新商品の開発
<機能材料セグメント>
【食品・化成品事業】
・シキボウ堺の新工場を活用した、新しい生産体制の構築
・新規素材、新規のブレンド品販売を拡大
【複合材料事業】
・航空・宇宙分野の新規案件の量産立ち上げ
・エネルギーインフラ分野の新規量産案件を受注
・さらなる受注拡大に向け航空・宇宙分野での業務提携などを検討
<不動産・サービスセグメント>
【不動産賃貸事業】
・グループ全体の遊休地の有効活用
・ショッピングモールなど、既存賃貸事業の活性化促進
【リネンサプライ事業】
・設備更新による効率化と増産体制の構築により、インバウンドによる需要増へ対応
・新規ホテルの契約獲得
・DX化によるクリーニングの販売促進
【物流事業】
・稼働率を維持
▽新たな価値の創造に向けた新規事業や研究開発
・食品・化成品事業については、ブレンド分野でシキボウ堺の新工場稼働に合わせ、増粘多糖類を中心に様々な用途に対応した製品開発の推進
・複合材料事業については、航空・宇宙分野やエネルギーインフラ分野において特殊繊維を用いた複合材料の開発
・繊維事業については、繊維製品のリサイクルによる用途開発
・カンバス・フィルター事業については、カンバス・フィルターで培った技術を活用した、新たな用途開発
・設備投資を除く研究開発費は15億円を計画
▽設備投資計画
・この3ヵ年で総額67億円の設備投資を計画
目的別設備投資計画
・デジタル投資として12億円
・新規設備導入などの成長投資として23億円
・太陽光発電設備や省エネ設備などの環境投資として10億円
・設備改善投資として18億円
・研究開発設備投資として4億円

 


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