(2157)コシダカHD 増収増益 カラオケ事業好調

2019/05/16

 

 

腰髙 博 社長

株式会社コシダカホールディングス(2157)

 

 

会社情報

市場

東証1部

業種

サービス業

代表者

腰髙 博

所在地

東京都港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービルディング

決算月

8月

HP

https://www.koshidakaholdings.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,670円

81,318,284株

135,802百万円

18.7%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

12.00円

0.7%

64.01円

26.1倍

315.51円

5.29倍

*株価は04/18終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2015年8月(実)

44,257

4,394

4,492

2,098

28.20

30.00

2016年8月(実)

51,170

4,810

4,699

1,900

26.18

32.00

2017年8月(実)

55,283

6,146

6,354

3,255

43.63

36.00

2018年8月(実)

61,771

7,858

8,207

4,426

54.44

25.00

2019年8月(予)

66,044

9,345

9,307

5,205

64.01

12.00

*予想は会社予想。単位は百万円、円。
*2016年8月期より当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益(以下、純利益については同様)。
*2018年6月、1株を4株に分割(EPSは遡及修正済み)。

 

コシダカホールディングスの2019年8月期上期決算の概要と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年8月期上期決算概要
3.2019年8月期業績予想
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 19/8期上期は前年同期比7.2%の増収、同35.2%の営業増益。カラオケ事業、カーブス事業共に、上期としては売上が過去最高を更新。既存店の好調とのれん償却費の減少でカラオケ事業の収益性が向上し、カーブス事業も、商標権等の償却負担はあったものの、カーブス世界本部買収によるロイヤルティの減少等で収益性が向上した。 
  • 通期の業績予想に変更はなく、前期比6.9%の増収、同18.9%の営業増益。通期予想に対する進捗率は、売上高49.3%、営業利益53.3%。利益面で進捗しているが、下期は、カラオケ事業において上期の14店舗を大きく上回る21店舗の出店を予定しており、先行コストが増加するため保守的に据え置いた。通期では、3事業共に増収が見込まれ、カラオケ事業及びカーブス事業は収益性も向上する。一方、温浴事業の利益はエネルギーコストの増加で下振れする可能性がある。6円の期末配当を予定しており、年12円(2018年6月の株式分割を考慮すると、実質2円の増配)。 
  • 2019年は、「ゴールデンウイーク10連休」と「消費税率引き上げ」という個人消費にとって好材料と悪材料がある。休日が多い事はカラオケルームの集客にプラス。同社は「人」の確保と早期の戦力化、そして店舗全体を活性化させる事で10連休の需要を取り込む共に、競争力の強化につなげていく考え。一方、秋には消費税率の引き上げが予定されており、個人消費への影響が懸念されている。しかし、過去の税率引き上げ時を振り返ってみると、カーブス事業を含めて、プラス・マイナスで大きな影響はなかったと言う。カラオケ事業、カーブス事共に、安・近・短であるうえ、リーズナブルな展開のため影響を受けにくいようだ。 

1.会社概要

“総合余暇サービス提供企業”を標榜し、「アミューズメント」、「スポーツ・フィットネス」、「観光・行楽」、「趣味・教養」の4分野で「既存業種新業態」戦略を推進している。現在、カラオケ事業とフィットネス(カーブス)事業を二本柱に、上場以来、増収・増益を続けており、新規事業として取り組んでいる温浴事業も基盤固めが進んでいる。

 

【企業理念】

「進化させた有意なサービス・商品を常に考案し、そして全世界の人々に提供し続けることによって、豊かな余暇生活の実現と希望に溢れた平和な世界の構築に貢献すること」。この企業理念の下、①安近短の身近な余暇の分野において既存業種新業態を追求する、②各国地域並びに各業種の実情に即した最適な業態、仕組みを開発する、③顧客のニーズを探求し、驚きと感動を与える質の高いサービス・商品を常に提供する、④強い志と企業家精神を持って活躍する人材を育成する、及び⑤業態間のシナジーを図り、グループ力を最大限に発揮する、の5つをビジョンとして掲げている。

【コシダカ・グループ】

(株)コシダカホールディングス

(株)コシダカ カラオケ事業(「カラオケまねきねこ」、「ひとりカラオケ専門店ワンカラ」)
温浴事業(「まねきの湯」、「らんぷの湯」)
(株)韓国コシダカ 韓国でカラオケ事業を展開
KOSHIDAKA INTERNATIONAL PTE.LTD.

KOSHIDAKA SINGAPORE PTE.LTD.

KOSHIDAKA MALAYSIA SDN. BHD.

KOSHIDAKA THAILAND CO.,LTD.

東南アジアにおけるカラオケ事業を統括する中間持株会社

シンガポール国内でカラオケ店舗10店舗を直営展開

マレーシア国内でカラオケ店舗2店舗を直営展開

タイ現地法人2018年2月設立、1店舗を展開

(株)カーブスホールディングス

(株)カーブスジャパン

(株)ハイ・スタンダード

Curves International, Inc.

カーブス事業3社を束ねる中間持株会社

カーブス・フランチャイズチェーン本部の運営及び直営店展開

北海道、埼玉県、東京都、千葉県内でカーブス62店舗を運営

カーブス事業のグローバル・フランチャイザー

(株)コシダカプロダクツ グループの知的財産管理及び不動産管理
(株)コシダカビジネスサポート グループの管理部門を統括

 

【事業セグメント】

カラオケ事業

(同社資料より)

 

店舗数は業界第2位。上質なサービスと低価格による差別化に成功している。地方・郊外店舗で経営基盤を確立したが、15/8期以降、首都圏・繁華街への出店に注力しており、近年のカラオケ事業拡大のけん引役になっている。海外展開も進めており、韓国、シンガポール、マレーシア、タイに店舗を有する。

 

カーブス事業
女性だけの30分健康体操教室「カーブス」を直営・FCで展開。19/8期上期末の国内店舗数1,946店舗、81.9万人の会員を擁する。取扱高、店舗数、会員数とも業界第1位。カーブス世界総本部の下でのエリアフランチャイザー(日本での事業を統括する地域本部)だったが、2018年3月にカーブス世界総本部を買収した。

 

温浴事業
「まねきの湯」、「らんぷの湯」のブランドで国内5店舗を展開。多様な集客施策とコンテンツの導入、設備の省エネ化の推進により黒字体質の定着に成功している。

 

2.2019年8月期上期決算概要

(1)連結業績

18/8期 上期

構成比

19/8期 上期

構成比

前年同期比

期初予想

予想比

売上高

30,394

100.0%

32,582

100.0%

+7.2%

31,961

+1.9%

売上総利益

7,973

26.2%

10,003

30.7%

+25.5%

販管費

4,286

14.1%

5,018

15.4%

+17.1%

営業利益

3,687

12.1%

4,984

15.3%

+35.2%

4,123

+20.9%

経常利益

3,860

12.7%

4,992

15.3%

+29.3%

4,109

+21.5%

親会社株主帰属利益

2,320

7.6%

2,931

9.0%

+26.3%

2,258

+29.8%

*単位:百万円

 

前年同期比7.2%の増収、同35.2%の営業増益
カラオケ事業、カーブス事業共に、上期としては売上が過去最高を更新し、連結売上高が325億82百万円と前年同期比7.2%増加した。利益面では、既存店の好調と出店数の減少でカラオケ事業の収益性が向上し、カーブス事業も、カーブス世界本部買収によるロイヤルティの減少等で収益性が向上し売上総利益率が改善。売上総利益の増加で、商標権等償却等による販管費の増加を吸収して営業利益が49億84百万円と同35.2%増加した。

 

(2)セグメント別動向

18/8期 上期

構成比・利益率

19/8期 上期

構成比・利益率

前年同期比

期初予想

予想比

カラオケ

15,706

51.7%

17,740

54.4%

+12.9%

17,131

+3.6%

カーブス

13,711

45.1%

13,863

42.5%

+1.1%

13,818

+0.3%

温浴

819

2.7%

822

2.5%

+0.4%

855

-3.9%

不動産管理

157

0.5%

156

0.5%

-0.6%

155

+0.6%

連結売上高

30,394

100.0%

32,582

100.0%

+7.2%

31,961

+1.9%

カラオケ

1,571

10.0%

2,389

13.5%

+52.0%

1,578

+51.4%

カーブス

2,431

17.7%

2,985

21.5%

+22.8%

2,769

+7.8%

温浴

45

5.5%

31

3.8%

-31.5%

90

-65.1%

不動産管理

63

40.3%

28

18.3%

-54.8%

78

-64.1%

調整額

-425

-449

-393

連結営業利益

3,687

12.1%

4,984

15.3%

+35.2%

4,123

+20.9%

*単位:百万円

 

カラオケ事業
売上高177億40百万円(前年同期比12.9%増)、営業利益23億89百万円(同52.0%増)。金額ベースでは、売上高が20億33百万円増加した。内訳は、国内新店の寄与が15億09百万円、既存店の寄与が7億93百万円。海外売上高の減少(84百万円減)や閉店の影響(1億84百万円減)を吸収した。営業利益の増加は8億17百万円。売上総利益が8億56百万円増加する中(売上総利益率:20.4%→22.9%)、前期の減損処理により海外子会社ののれん償却費(1億34百万円減)や研究開発費(36百万円減)の減少で販管費が36百万円減少した(この他、広告宣伝費56百万円増、IT関連費18百万円増)。

 

14店舗(前年同期は15店舗)の出店を行い、国内の上期末店舗数は533店舗(前年同期末506店舗)。14店舗のうち、駅前・繁華街への出店が8店舗を占めた(前18/8期通期では31店舗中18店舗、17/8期通期では44店舗中32店舗)。集客施策の奏功による駅前・繁華街店舗の好調で、既存店売上高は同5.5%増と伸びた(客数同7%増、客単価1.4%低下)。

 

海外店舗数は23店舗。内訳は、シンガポール10店舗、韓国10店舗、マレーシア2店舗、タイ1店舗。シンガポール、韓国共に売上高・利益が減少した。シンガポールは改装効果で前期の売上が伸びた反動で売上が減少する中(改装効果が半年程度で終息)、東南アジアの他国と比べて重い賃料等が負担になった。一方、韓国はカラオケのみで飲食のできない店舗タイプでスタートしたが、現在、飲食可能な店舗に切り替えて試行錯誤が続いている。下期に1店舗閉鎖する予定だ。マレーシアでは、2018年7月に1号店をオープンし、11月に2号店となる「まねきねこ1号店」をオープンした。マレーシアは順調な立ち上がり。同国は賃料負担も軽いため、早期の黒字化が見込まれる。また、タイは2019年2月にまねきねこ1号店をオープンした。

 

売上高

営業利益

期末店舗数

18/8期 上

19/8期 上

18/8期 上

19/8期 上

18/8期上末

19/8期上末

シンガポール

836

799

76

-7

10

10

韓国

216

169

-30

-28

14

10

合計

1,052

968

46

-36

24

20

*単位:百万円、店

 

キャッシュ・フロー(CF)の大幅な増加も、この上期のカラオケ事業の特徴

(同社資料より)

 

カーブス事業
売上高138億63百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は29億85百万円(同22.8%増)。売上高は金額ベースで1億51百万円増加した。内訳は、出店売上が減少(△1億06百万円)したものの、ランニング売上(1億34百万円増)、ショッピング売上(19百万円増)が順調に増加した(この他、店舗売上38百万円増、その他65百万円増)。営業利益は5億53百万円の増加。ショッピング売上原価(4億69百万円減)や支払ロイヤルティ等(4億16百万円減)の減少で売上総利益率が33.7%から42.1%へ改善し、商標権等償却(5億40百万円)や減価償却費の増加(1億53百万円増)による販管費(一方、各種手数料が2億60百万円減)の増加を吸収した。
上期末の店舗数は1,946店舗(前年同期末1,860店舗)、会員数819千人(同806千人)。プロテイン販売は72億円(前年同期は71億円)。
温浴事業
売上高が8億22百万円と前年同期の実績8億19百万円を上回ったものの、エネルギーコストの増加で売上総利益率が前年同期の9.0%から8.1%に低下。販管費が6百万円減少したものの、営業利益は31百万円と前年同期の実績45百万円を下回った。

 

不動産管理事業
売上高1億56百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益28百万円(同54.8%減)。賃貸物件取得に伴い、取得費39百万円を計上したため営業利益が減少した。

 

(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

18年8月

19年12月

 

18年8月

19年12月

現預金

11,926

11,630

仕入債務

2,430

2,243

売上債権

3,824

3,730

未払金・未払費用

2,433

2,083

たな卸資産

1,123

1,238

未払法人税等

1,873

1,824

流動資産

19,963

18,973

預り金

1,806

1,772

有形固定資産

17,552

21,137

有利子負債(うちリース債務)

24,348(27)

24,552(15)

無形固定資産

24,627

23,924

負債

41,660

40,974

投資その他

6,214

6,220

純資産

26,697

29,281

固定資産

48,394

51,282

負債・純資産合計

68,357

70,256

*単位:百万円

 

上期末の総資産は前期末との比較で18億98百万円増の702億56百万円。貸方では、賃貸物件の取得で有形固定資産が増加する一方、無形固定資産が減少した(のれん・商標権が6億29百万円減少)。貸方では、利益剰余金を中心に純資産が増加した。賃貸物件取得に伴い、25億円の短期の借り入れを行ったが、3月に長期借入金に借り換えた。自己資本比率41.7%(前期末37.5%)。

 

キャッシュ・フロー(CF)

18/8期 上期

19/8期 上期

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

2,184

5,721

+3,536

+161.9%

投資キャッシュ・フロー(B)

-2,973

-5,621

-2,648

フリー・キャッシュ・フロー(A+B)

-788

99

+888

-112.7%

財務キャッシュ・フロー

-2,384

-403

+1,980

現金及び現金同等物期末残高

10,594

11,588

+993

+9.4%

単位:百万円

 

カラオケ事業のCFの改善で前年同期は21億84百万円だった営業CFが57億21百万円と2.6倍に拡大し、カラオケ事業での出店及び賃貸物件の取得等の投資を賄った。

 

3.2019年8月期業績予想

(1)連結業績

18/8期 実績

構成比

19/8期 予想

構成比

前期比

売上高

61,771

100.0%

66,044

100.0%

+6.9%

営業利益

7,858

12.7%

9,345

14.1%

+18.9%

経常利益

8,207

13.3%

9,307

14.1%

+13.4%

親会社株主帰属利益

4,426

7.2%

5,205

7.9%

+17.6%

*単位:百万円

 

通期予想に変更はなく、前期比6.9%の増収、同18.9%の営業増益
通期予想に対する進捗率は、売上高49.3%、営業利益53.3%、経常利益53.6%、当期純利益56.3%。各利益の進捗率が高いが、下期は、カラオケ事業において上期の14店舗を大きく上回る21店舗の出店を予定しており、先行コストが増加するため保守的に据え置いた。
通期では、3事業共に増収が見込まれ、カラオケ事業及びカーブス事業は収益性も向上する。一方、温浴事業の利益はエネルギーコストの増加で下振れする可能性がある。

 

(2)セグメント別見通し

 

18/8期 実績

構成比

19/8期 予想

構成比

前期比

カラオケ

31,936

51.7%

35,234

53.3%

+10.3%

カーブス

27,933

45.2%

28,793

43.6%

+3.1%

温浴

1,587

2.6%

1,707

2.6%

+7.5%

不動産管理

313

0.5%

311

0.5%

-0.8%

連結売上高

61,771

100.0%

66,044

100.0%

+6.9%

カラオケ

3,153

36.2%

3,839

37.9%

+21.8%

カーブス

5,345

61.4%

5,930

58.5%

+10.9%

温浴

71

0.8%

205

2.0%

+188.5%

不動産管理

133

1.5%

157

1.5%

+18.3%

調整額

-846

-787

連結営業利益

7,858

9,345

+18.9%

*単位:百万円

 

カラオケ事業
スクラップ&ビルド

(同社資料より)

 

首都圏の駅前・繁華街での生産性の高い大型店舗の出店と地方・郊外の小規模店舗の閉鎖を進める。この一環で、3月・4月の2ヶ月で6店舗を出店する一方、地方・ロードサイド22店舗を戦略的に閉鎖した。期初から4月までに出店した20店舗の平均ルーム数は33.3ルーム(前期通期では25.5ルーム)。これに対して、閉鎖した店舗の平均ルーム数は15.2ルームである。

 

マーケティング戦略の継続
他社を凌駕する集客力の原動力になっているマーケティング戦略も継続する。2019年1月に「まふ(まねきねこのフリータイム)」を関東圏で開始し、2月には全国展開を開始した。当初は期間限定のキャンペーンだったが、3月に継続を決定した。また、4月には、「まねきde家族割」を全国で一斉に開始した。尚、「まふ」とは、大学生・短大生・専門学校生限定で、日曜日から木曜日までの18時以降、1人300円で、時間無制限、歌い放題、飲み放題(フリードリンク)にするサービス。時間を気にせず、朝まで楽しむ事ができる。一方、「まねきde家族割」は、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に来店した小中学生のカラオケ利用料を完全無料にするサービス。若干の単価低下を受け入れて、集客を一段と強化する考え。

 

飲食による差別化や開発を伴う新サービス等の継続
飲食による差別化も進める。大成功を収めた「築地銀だこ」とのコラボに続く第2弾として、「ゴーゴーカレー」とのコラボを全国で展開している。カラオケまねきねこで、金沢カレーブームの火付け役となったゴーゴーカレーのカレーを堪能できる。人気のある飲食店ブランド等とのコラボに継続的に取り組んでいく考え。この他、10月に始めた会員サービスアプリ「まねきねこアプリ」は登録者数が80万人を超え、今も拡大中。ポイントシステムやランクアップシステム等が好評なようだ。キャンペーン等と並行して、自動化・効率化の取り組みも引き続き進めていく。

 

2019年9月1日から全店全室禁煙に
CSRの観点から、2020年東京オリンピックに向けた受動喫煙防止対策強化の取り組みに賛同する。具体的には、2019年9月1日から全店全室禁煙にする考え。この方針を発表した2019年1月15日以降、順次、全室禁煙化を進めており、4月18日現在、全室禁煙店舗は店舗全体の80.3%に達している(首都圏店舗は既に全店が全室禁煙)。全室禁煙店舗はファミリー層や女性に好評で、若年層への訴求力も強いと言う。

 

ブルーオーシャン市場への進出
海外では、2店舗を出店し立ち上がりも順調なマレーシア、1号店を出店したタイ、更にはマレーシア同様に賃料負担が軽いインドネシアでの多店舗展開を進めていく考えで、インドネシアでは出店準備が進行中である。

 

カーブス事業
マーケットの深堀とサービスの更なる強化に取り組むと共に、「メンズ・カーブス」のフィジビリティ・スタディを継続する。また、カーブス世界本部を起点にした世界戦略を進める。

 

マーケットの深堀とサービスの更なる強化
自治体との連携も含めて、健康意欲が高いが運動意欲の低い層の取り込みに力を入れると共に、サービスの更なる強化に努め、一段の会員継続率の向上と解約率の引き下げを図る。1-3月の解約率平均は2.69%と前年同期との比較で0.17ポイント低下した。フィットネスジムの解約率としては十分に低いが、「成果実感」をキーワードに2%未満への引き下げを目指す。

 

メンズ・カーブス
「メンズ・カーブス」は1号店の運営が順調(平均会員数340人)で既に売上高が損益分岐点を超えており、年内2号店の出店を計画している。多店舗展開を視野に入れているが、そのためには想定を若干上回って推移している退会率の引き下げが課題である。

 

世界戦略
現状把握が終了し、具体的な戦略を策定中である。カーブスの加盟店はワールドワイドで4,000店だが、このうち約2,000店が日本。海外は伸び代が大きいが、途上国・中進国ではシニア層のフィットネスに対する意識が低い。このため、先ずは欧州・北米での展開を念頭に置いているようだ。

 

(同社資料より)

 

(3)株主還元

期末配当は1株当たり6円を予定している。上期末配当と合わせて年12円となり、上場来、11期連続の増配。また、株主優待として、下記の通り株主優待券やカタログギフト券を贈呈する(長期保有の株主に対して優遇措置を講じている)。

 

 

3年未満

3年以上

100株以上

株主優待券   2,000円相当

株主優待券    4,000円相当

400株以上

株主優待券   5,000円相当

カタログギフト  3,000円相当

株主優待券   10,000円相当

カタログギフト   3,000円相当

4,000株以上

株主優待券   5,000円相当

カタログギフト  5,000円相当

株主優待券   10,000円相当

カタログギフト  5,000円相当

4.今後の注目点

カラオケ市場は横ばいの様だが、同社のカラオケ事業は、1月に始めた大学生・短大生・専門学校生をターゲットにした「まふ」の継続を決定する等、全ての集客施策が奏功しており、各施策でターゲットする層の集客に成功している。この成果が、首都圏の駅前・繁華街店舗を中心にした既存店の好調に反映されている。
ちなみに2019年は、「ゴールデンウイーク10連休」と「消費税率引き上げ」という個人消費にとって好材料と悪材料がある。休日が多い事はカラオケルームの集客にプラス。同社は「人」の確保と早期の戦力化、そして店舗全体を活性化させる事で10連休の需要を取り込む共に、競争力の強化につなげていく考え。一方、秋には消費税率の引き上げが予定されており、個人消費への影響が懸念されている。しかし、過去の税率引き上げ時を振り返ってみると、カーブス事業を含めて、プラス・マイナスで大きな影響はなかったと言う。カラオケ事業、カーブス事共に、安・近・短であるうえ、リーズナブルな展開のため影響を受けにくいようだ。

 

参考:コーポレート・ガバナンスについて

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態 監査等委員会設置会社
取締役 8名、うち社外3名

◎コーポレート・ガバナンス報告書
更新日:2018年12月04日
基本的な考え方
当社グループは、株主に対する企業価値の最大化を図るために、経営の透明性と健全性を維持しつつ、変化の激しい経営環境の中における企業競争力の強化のために、迅速な意思決定と機動的な組織運営を実現することをコーポレート・ガバナンスの基本的な方針とし、体制を整備し諸施策を実施しております。当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を経営の重要課題としています。この課題を実現するために、当社グループは、株主やお客様をはじめ、当社に係るすべてのステークホルダーの立場を尊重し良好な関係を構築するとともに、以下の当社グループ「経営理念」及び、それを具体化した「行動基準」を定めております。

 

「経営理念」
私達の使命は、進化させた有意なサービス・商品を常に考案し、そして全世界の人々に提供し続けることによって、豊かな余暇生活の実現と希望に溢れた平和な世界の構築に貢献することである。

 

「行動基準」

1.創業の精神 6.公明正大
2.お客様第一主義 7.コンプライアンス
3.新しいサービスの創造 8.地球環境保全意識の堅持
4.おもてなしの心の研磨 9.自ら成長する人材
5.先義後利の精神 10.豊かな機会

 

<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-1-2 取締役会の役割・責務(1) 中期経営計画】
中期経営計画に関しましては、その策定根拠、内容および進捗状況を取締役会で確認、共有しておりますが、具体的な内容については、事業を取り巻く環境変化が大きく、臨機応変の計画変更が必要となることから、現在公表しておりません。
今後の事業環境の変化等も踏まえながら、中期経営計画の開示につき検討してまいります。

 

<開示している主な原則>
【原則5-1 株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取組みに関する方針】
(基本的な考え方)
当社は、株主との建設的な対話を通じて、当社への理解を促進し、持続的な成長および中長期的な企業価値の向上に繋げてまいります。
(担当部門)
当社は、株主からの対話(面談)の申込みに対しては、IR広報室が対応することとしております。また、株主の対話(面談)の目的等を確認したうえで、必要に応じて、CEO及び担当役員が面談に臨むことといたします。
(個別面談以外の対話の手段)
当社は、決算説明会等を通じて、CEOを始めとする取締役による定期的な情報発信を行ってまいります。
(インサイダー情報の漏えい防止)
当社は、インサイダー情報の管理については、社内規程である「内部情報管理及び内部者取引防止規程」に基づき、情報管理の徹底を図り、インサイダー情報の漏えい防止に努めてまいります。

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