フリービット(3843 東証マザーズ)
子会社の不正経理の処理で、14/4 期も特別損失計上へ
新たな中期経営計画を発表するが、進捗を見守りたい
業種:情報・通信業
アナリスト:松尾十作
◆インターネット・インフラサービスを提供するベンチャー
・フリービット(以下、同社)は、国内のインターネット接続事業者(ISP)を 対象とするネット接続のアウトソーシングサービスが主力ビジネスである。 インターネットデータセンター、インターネットマーケティング、ユビキタ ス家電の開発及び提供などのインターネット関連事業を総合的に展開 している。
◆過年度に遡及して決算を訂正
・事業の構造改革を進め、次世代インターネット市場を見据えコア事業 に集中した結果、13/4 期営業利益は前期比増益となったが、連結子会 社が保有していたアパレル会社の借入金の債務保証に関する貸倒引 当金を特別損失として計上したため当期損失となった。また、13 年6 月 に公表した連結子会社における不明瞭な取引を精査し、13 年7 月に 11/4 期及び12/4 期の決算訂正を公表した。
・14/4 期において、同社は不採算事業の縮小などにより減収ながら営業 及び経常増益、純利益の黒字転換を見込んでいる。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)は、14/4 期について、モバイ ル事業を中心にブロードバンドインフラ、アドテクノロジーインフラが牽 引し、コア事業が順調に拡大することが見込まれることから、同社の 14/4 期計画は現状ではほぼ妥当と判断している。
◆中期業績見通しを引き下げ
・同社は中期計画を発表し、16/4 期に売上高260 億円、営業利益26 億 円を標榜している。当センターでは、中期業績予想を大幅に下方修正 した。リストラが順調に進み、コア事業が順調に伸長していると思われた が、子会社の不適切取引に見られるように、同社の成長戦略の一つで あるM&A に想定以上のリスクが顕在化したことと、積極的な事業拡大 にも関わらず売上及び利益に結びついていないためで、同社の中期 計画は意欲的な目標と捉えている。