GCC経営™分析レポート:株式会社SANKO MARKETING FOODS(東証スタンダード 証券コード:2762)
GCC経営™分析よる3.8倍のアップサイドの可能性
ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
柏尾陽介
水産資源の価値最大化による「価値ある食文化の提案」
株式会社SANKO MARKETING FOODS(以下、「SANKO」)は1975年にJR神田
駅のガード下で定食や牛丼、カレー等を提供する飲食店がスタート。1998年に個室居酒屋の先駆けとなる「東方見聞録」、2000年に女性の社会進出や健康志向を捉えた「月の雫」の著しい成⾧をきっかけに上場を果たす。
しかし近年は都市部大型タイプの居酒屋が下火に、さらにコロナ禍で居酒屋は大打撃を受け、現在も回復は遅くSANKOも苦境に陥った。その最中で食の原点を見つめ直し、沼津の漁師と共に汗をかくことで新たな課題と突破口を見出した。それが農林水産業における第6次産業化である。
水産業の第6次産業化とDX化で産地活性化プラットフォーマーへ
現在のSANKOは沼津での漁業の参加、買参権の獲得、豊洲に7社しかない大卸である
綜合食品、浜松の仲卸でマグロの専門集団である海商(現SANKO海商)をM&Aで獲
得するなど矢継ぎ早に水産業におけるサプライチェーンを構築してきた。これにより目指すのは消費者に対しより良い食体験の提供と、そのフィードバックとして漁師や卸など各サプライチェーン関係者すべての幸福価値の増大だ。このサイクルにより日本の食文化はさらに向上し、「価値ある食文化」の達成が可能になるとSANKOは考えている。
このサイクルを支えるのはDX化であり、埋もれていた水産資源をSANKOの企画開発により消費者のニーズへのマッチングを試みるテストマーケティングと生産地へのフィードバックのサイクルを繰り返す。流通過程においても綜合食品やSANKO海商も同様にDX化を推進し、生産地と消費者を円滑に結び付ける「産地活性化プラットフォーマー」への飛躍を目指す。
資金調達を最大限実施した前提でも株価は471円と現状の約3倍
株主価値をGCC経営™のフレームワークにより「超過利潤法(「巻末資料2」参照)」で
試算した。結果として、価値創造プロセスの概念が実装・実現する前提で、10年分の成⾧価値を織り込めば、株主価値は118億円。これは現状の時価総額の約3.8倍で、新株予
約権が実行され希薄化されたケースでは2.9倍と推計された(本文「インベストメントサマリー」参照)。
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