マーケットは下値固めが続く
4月もいよいよ終盤に入った。桜の花もすっかり散ってしまうと、どの木が桜だったのかわからなくて困ってしまうが、新緑の季節に突入である。
さて、まずは3月のモデルポートフォリオのご報告から。
3月のマーケットは米国市場が続伸したのに対して、日本市場は小幅続落となった。
米国市場は上昇。2月の雇用統計が+17.5万人と予想の+15万人を上回り、個人消費支出、小売売上高、鉱工業生産指数や住宅着工件数などが改善したことで米国経済の強さを確認。しかしながら、中国の2月の工業生産高や小売売上高が予想を下回ったこと、ウクライナ情勢への警戒感が強まったことからNYダウは一時16065ドルまで下落。その後、ロシアによるウクライナへの一段の軍事介入が控えられたこと、FRBによる超低金利政策継続への期待が高まったことを背景に徐々に不安感が後退した。2月末におけるダウは16457ドルとなり136ドル上昇し月間騰落率は+0.8%で1/17以来2か月半ぶりの高値水準。ナスダックは4198ドルとなり109ドル下落の-2.5%となった。
日本市場は小幅に続落。過去2ヵ月で日経平均は1449円も下落しており、2月末に14841円でスタートした3月相場は7日には15274円まで上昇。しかし、中国経済減速への不安、103円台から101円台まで円高が進んだこと、ウクライナ情勢の不透明感から外国人投資家による先物主導の下げが加速。需給悪化も加わって20日には14224円まで下落した。その後は徐々に落ち着きを取り戻して買戻しが入り下げ幅を縮小。売買代金は2兆円台を回復した。3月の日経平均は14827円で取引を終え、2月末の14841円から14円下落し月間騰落率は-0.1%。また、Topixは-0.7%と下落した。一方、小型株市場はジャスダック平均が-3.3%、マザーズ指数は-8.3%と2月に続いて大型株に比べて厳しかった。
太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」 における3月のパフォーマンスは-2.3%となり、年初来は-9.8%(2月末-7.7%)、累計では+116.3%(2月末+121.3%)と後退した。保有株式のウェートは2月末の77%から69%へ下落。ヘッジ戦略をおこなっていないため、ネットロング比率は69%となった。
3月の日本市場は3ヵ月連続での下落となったものの、1月や2月に比較すると「総悲観的ムード」は後退し、マーケット全体が徐々に落ち着きを取り戻す兆候が確認された。とはいうものの、日本市場が自立するだけの力はなく、まだまだ外部要因で振り回される体質であることには変わりなく、中国経済や理財商品の不透明感、円高、突発的軍事問題などが生じれば、即ネガティブ要因としてはたらく。
そして、4月に入ってからは目まぐるしい展開が続いている。第2週の日経平均は15000円の水準から14000円台を割り込んで一気に年初来安値まで売られたが、第3週は14500円台を回復して「信用取引解消のための投げ売り」はすっかり影を潜めた。
今年に入ってから下値を試す局面がすでに3回となっている。1回目が2/5の13995円、2回目が3/17の14203円、そして3回目が4/14の13885円である。現在の日経平均が14500円レベルまで戻ったことで、下値固め局面が継続していると判断できる。昨年の5月から11月にかけて下値を試す局面が4回あったが、非常に似通ってきている。
いよいよ決算発表が本格的に始まるが、14年度の増益率は+10%程度というのが市場のコンセンサスである。企業側も強気の数字を発表する可能性は低いため、サプライズは小さいだろう。
それよりも最近話題になっているのが世界最大の年金機構GPIFの動きである。6月より本格的に株式投資へシフトすると囁かれており、もし動き出せば海外投資家が再度日本株に戻ってくる可能性が大きいため注目される。
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