あなたには勝てる投資家の素質があるか(4)
投資の才能とは何かをテーマにシリーズでお送りしております。
今回(第4回)は最後になりますが「非妥協力」について取り上げます。
「非妥協力」って一体なんだと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、「迎合しない」「長いものに巻かれない」「権威におもねない」という性質・気質を持っていることが大切だと考えています。
面白いことにこうした気質を表す熟語を探してみたのですが、適当な言葉が見当たらないのです(もしかしたら、私が無学なだけかもしれませんが)。
全体行動や協調性を子供のころから叩き込まれてきた日本人にとってはもしかしたら縁が薄いのかもしれません。
ここで申し上げたいことは、例え大家や権威の主張・理論であってもそのまま鵜呑みにはせずに十分に中身を吟味したうえで納得できるのであれば、そこで初めて自分の考えに取り入れることが重要ということです(そういう意味では私が申し上げることも鵜呑みにはせずに疑ってみてください)。
“スリッパに履き替える会社は成長しない”
いえいえ、スリッパに履き替える会社でいい会社は沢山あります。
カリスマ・ファンドマネージャーの著書に書かれていたとか、大手証券のアナリストが主張しているとか、東大の偉い先生が確立した理論だ、などというだけで単純に鵜呑みにしていたりはしませんか?
どんな大御所でも間違えることはありますし、大御所の意見には周囲は反対を唱えにくく、仮に反対意見が出てもかき消されてしまうこともあるでしょう。また、一般論としては正しとしても、それがどんなときにも適用できるとは限りません。PER、PBRなどの株価指標を単純にスクリーニングしただけでは上がる銘柄を見つけられませんよね。
どうしても自分の知識や経験の及ばないものについては専門家に任せっきりになってしまいがちですが、それでも中身を吟味する習慣やセカンドオピニオンを求める必要性が高いことは言うまでもありません。
いずれにしても日々の研鑽が需要です。
余談ですが、私は“3K排除”という標語をつくっています。
「排除しよう!!“権威”“形式”“キレイ事”」
(よろしければご一緒に・・・笑)
あなたは権威や金看板に阿(おもね)ることはないと言えますか?
ここまで4回にわたって投資の才能について書いてきましたがいかがでしたでしょうか? 是非、ご自身の経験に当てはめて考えてみてください。
次回は成長株投資についての考えを書いてみたいと思います。
引き続きお読みいただければ誠に幸甚です。
この記事を書いている人
藤根 靖昊(ふじね やすあき)
- 東京理科大学 大学院総合科学 技術経営研究科修了。
- 国内証券(調査部)、米国企業調査会社Dan&Bradstreet(Japan)を経て、スミスバーニー証券入社。化学業界を皮切りに総合商社、情報サービス、アパレル、小売など幅広いセクターを経験。スミスバーニー証券入社後は、コンピュータ・ソフトウエアのアナリストとして機関投資家から高い評価を得る(米Institutional Investorsランキングにおいて2000年に第1位)。
- 2000年3月独立系証券リサーチ会社TIWを起業。代表を務める傍ら、レポート監修、バリュエーション手法の開発、ストラテジストとして日本株市場のレポートを執筆。