あなたには勝てる投資家の素質があるか(3)

2022/02/22

 

投資の才能とは何かをテーマにシリーズでお送りしております。

第2回では、「好奇心」と「執着心」についてお話ししました。

今回(第3回)は「直観力」と「普遍性」について取り上げます。

 

まずは本題に入る前に数年前の私自身の経験をお話しします。

2017年にちょっと英語の勉強でもしようかと思って、NHKラジオの英語番組を幾つか聴いていました。そのうちの一つに「ボキャブライダー」がありました。最初はただ勉強のために聴いていたのですが、アシスタントの女性の声や抑揚にだんだん魅力を感じてきて、この浜辺美波という娘はどんな子だろうと思って調べました。出演作品をチェックして「君の膵臓をたべたい」をAmazonPrimeで視聴しました。その時に確信しました。「この娘はブレイクする」と! 思っただけではなく、友人等にスマホで浜辺美波の画像を見せて「絶対にこの娘は来るよ!!」と、ただの変なオヤジにしか見えなかったかもしれません。2017年秋から2018年初頭の頃の話です。

その後、彼女はメニコン、味の素、JA共済、ロッテ、NTTドコモなどCMでの起用が続き、一躍、若手女優のトップクラスに躍り出たことはご存じのことと思います。

前置きが長くなりましたが、商品やタレントなど、あなたは世間でブレイクする前に“これは売れる!”と強く感じた経験をどのくらいお持ちですか?

「生きていたんだよな」を聴いてあいみょんにドキッとした。「ワタリドリ」を聴いてAlexandrosに興味を持った・・・・タレント(俳優・芸人・ミュージシャン)、政治家・評論家、遊びやショッピングなどの施設、食品・嗜好品、等々、なんでも構いません。他人よりもアンテナが立っていると思うことってあった(ある)でしょうか?

 

ここには二つの意味があります。一つは直感力です。
直感って一体なんでしょうか?いろいろな捉え方があるとは思いますが、“経験値の無意識下での発現”と私は考えています。何かの事象(現象・体験)に対して、それを認識・把握し、その原因・要因や次に生じることの可能性等に対して思いめぐらしたことの経験。ただ漠然と感じていただけのものであっても五感を働かせて思索したことの積み重ねではないかと思います。

自分の直感をどれだけ信じられるかは、直感とその後(の当り外れ)を自分自身の中で反復的に検証を続けた結果だと思います。

 

もう一つの意味は普遍性を持った感覚です。
ブレイク(ヒット)するものって、多少の時間差はあっても他の多くの人も良いと感じるものです。あなたが(私が)特別なのではありません。そう普通の人の感覚を持っていることが重要なのです。

普通の感覚を持っていることが重要である意味は「他の多くの人たちがどの様に考える(感じる)か」が推察できることです。
株式投資は“美人投票”の側面を持っていることはご存じだと思います。他の方がどの様な投票行動を行うかを推察することができますし、市場心理を掴むためには重要です。
ただし、一つ注意してください。普通の感覚を持つことと他の人と同じように行動することとは少し違います。漫然と周囲や世間に流されるのと、自分で仮説を構築したうえで選択することには大きな違いがあります。

 

整理します。

「あなたには直感力がありますか? 自分の直感を信じられますか?」

「あなたは普通の感覚を持っていると思いますか?(ずれていると言われることが少ない)」

 

また次回に続きます。

続きはこちらから
 あなたには勝てる投資家の素質があるか
 → 第1回第2回第3回第4回

 

この記事を書いている人

藤根 靖昊(ふじね やすあき)

  • 東京理科大学 大学院総合科学 技術経営研究科修了。
  • 国内証券(調査部)、米国企業調査会社Dan&Bradstreet(Japan)を経て、スミスバーニー証券入社。化学業界を皮切りに総合商社、情報サービス、アパレル、小売など幅広いセクターを経験。スミスバーニー証券入社後は、コンピュータ・ソフトウエアのアナリストとして機関投資家から高い評価を得る(米Institutional Investorsランキングにおいて2000年に第1位)。
  • 2000年3月独立系証券リサーチ会社TIWを起業。代表を務める傍ら、レポート監修、バリュエーション手法の開発、ストラテジストとして日本株市場のレポートを執筆。
アイフィス・インベストメント・マネジメント株式会社
5th Stage Lab「シン・日本株投資」   アイフィス・インベストメント・マネジメント株式会社
短期の業績変動や株価のブレに惑わされることなく、何が本質であるかを見極められる「自律した投資家」を目指していくための気構えやスキル、実例解説などをお伝えしていきます。
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