なぜGW明けは「損切り」と「利益確定」のタイミングが個人投資家にとって難しいのか?
多くの個人投資家が株式投資の中で、難しいと感じているのが「損切り」と「利益確定」のタイミングでしょう。実際、私たち独自の調査で約1600名の個人投資家に「投資で最も難しいと感じること」を調査したところ、このようなものがTOP3に出てきました。
個人投資家が「投資で最も難しい」と感じることTOP3
第1位:損切り・利益確定のタイミング
第2位:買いのタイミング
第3位:株価動向の予測
大まかに言うと、これは「株価がどのように動くか分からない」ということが根底にあるかもしれません。特に、1位の損切りや利益確定のタイミングは、その後の利益を左右するので緊張感があり、最も難しく感じるのでしょう。
特に、このゴールデンウィーク直前は休場中のリスクを懸念して手仕舞いすべきか、連休明けの値上がりを期待して保有すべきか迷い、判断が難しいところでしょう。
そこで、今回はゴールデンウィークの株価動向を見ながら、「なぜ難しく感じるのか?」を解説します。
東証一部銘柄が上昇する確率は?
まず、東証一部の全銘柄を対象に、ゴールデンウィーク前後での株価動向をデータ分析しました。結果は以下の通りです。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
上のグラフは「勝率」を表したものです。勝率が50%を超えると利益になる確率が高いと考えられます。
つまり、買い注文をしたゴールデンウィーク前よりも、売却時のゴールデンウィーク明けに株価が上昇していることを示します。
2000年から2020年のデータを見る限り、上昇傾向を示す勝率50%を超えるのは11回あります。反対に下落傾向をを示す勝率50%以下は10回でした。
全体平均の勝率は「54.8%」と50%を超えています。よって、東証一部銘柄は、ゴールデンウィーク明けに向け、上昇傾向があると考えられるでしょう。
では、東証二部も同じようにデータ分析してみましょう。
東証二部銘柄が上昇する確率は?
同様に、東証二部の全銘柄を対象に、ゴールデンウィーク前後の株価動向をデータ分析しました。結果は以下の通りです
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
2000年から2020年のデータを見る限り、株価の下落傾向を示す勝率50%以下は6回のみでした。反対に上昇傾向と考えられる勝率50%を超えるのは15回でした。
これを見る限り上昇傾向があると判断したいところですが、全体平均の勝率は「49.93%」でした。これをふまえると、下落するときは、大きく下落する可能性があると考えられます。
よって、東証二部銘柄は、ゴールデンウィーク明けに向け株価が上昇傾向にあるものの、下落時は大きく下落する傾向があるので十分に注意が必要でしょう。
また、ここから必ずしも東証一部と東証二部の銘柄が同じ動きをするとは限らないことが読み取れるでしょう。
では、最後に新興市場も同じようにデータ分析してみましょう。
新興市場銘柄が上昇する確率は?
同様に、新興市場の全銘柄を対象に、ゴールデンウィーク前後の株価動向をデータ分析しました。結果は以下の通りです。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
2000年から2020年のデータを見る限り、株価の下落傾向を示す勝率50%以下は6回見られます。反対に上昇傾向と考えられる勝率50%を超えるのは14回、どちらでもなかったのが1回でした。
全体平均も勝率「53.71%」と、基準となる50%を超えています。よって、新興市場銘柄は、ゴールデンウィーク明けに向け株価が上昇傾向にあると考えられるでしょう。
なお、ここで特筆すべきは、勝率が20%以下であったのが、東証一部では3回、東証二部では4回あったのに対し、新興市場では2回に留まっています。
3つの市場を比較すると、この市場はこの3つの中では、比較的穏やかな株価の動きになるかもしれません。
では、最後に直近の株式市場の動向を見てみましょう。
直近の株式市場の動向は?
下のグラフをご覧ください。これは、私が独自に開発した「株トレンド指数」という株式市場の動向を見るための指数動向です。これが3~4月の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
一般的に日経平均株価の動きで「株式市場全体の動向」と見られる動きがありますが、私はこの独自指数で動向を読み取っています。
この指数を見る限り、3月中旬までは株式市場に動きがあったものの、3月下旬から直近に掛けては、ほとんど動きが見られません。
傾向がないに等しい「無風状態」状況ですので、短期売買で利益を上げようとするのは、非常に難しい状況と言えるでしょう。
なぜGW明けの「損切り」と「利益確定」のタイミングは難しいのか?
難しいのは、このような株価動向を把握しているか、していないかの違いとも考えられます。また、これは「買いのタイミング」や「株価の予測」が難しいと感じる要因の一つでもあります。
もし、このような株価動向を把握していれば、カンの良いあなたは「今は売らないほうが良い」「今は買わないほうが良い」など戦略的な判断ができるでしょう。だから、私は株価の予測はしていません。しているのは、このような株価の動向分析のみです。
このような分析をすることで、個人投資家が難しいと感じる「売り(損切り・利益確定)のタイミング」や「買いのタイミング」を具体的に知ることができます。もし、あなたも実際に有効な「売買のタイミング」を習得したいなら、こちらのeBook(電子書籍)『日本株再入門』を今すぐお読みください。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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