FM 今週のポイント(7月 24日)

2017/07/24

*依然として膠着相場が続いています。先週は安川電機が決算発表をきっかけに、一時、15%以上も上昇しました。今後も、外需企業、為替感応度が高い銘柄を中心に上方修正企業が続出することが期待されます(今週から本格的に決算発表シーズンに入る)。ただし、日経平均株価が膠着感を脱して上昇基調(サマーラリー)に突入するか?というと、まだまだ、難しいと思われます。端的には、世界的な金融政策の転換期に入っているからです。しかも、依然として FRB、ECB のスタンスが、マーケットに浸透しているとは考えられません(金融当局自身の迷いも垣間見られます)。当面は、FRB、ECB のスタンスを見極める展開が続きそうです(今週は 25 日~26 日に FOMC が開催される:イエレン議長の記者会見は無く、公表コメントの変化を注視)。
 
*しかし、本当にタカ派的な金融政策の変更が可能なのでしょうか?
ECB のドラギ総裁がタカ派に転じたとされたのは(世界的な金利上昇の引き金を引いた)、6月 27日にポルトガルのシンドラで「デフレの力がインフレの力に置き換わった」と発言したからです。そのドラギ総裁は、20 日の ECB 理事会後の記者会見で、緩和縮小の「議論は秋に行う」と発言しました。量的緩和の縮小を秋に議論し、年明けから段階的に実施して行くというのがマーケットのコンセンサスになりつつある中で、ドラギ総裁の今回の発言はマーケットに確信を深めさせたものと思われます(外国為替市場では、もはや緩和縮小の方向性にブレが無いとの受け止めが広がり、ユーロ買い、ドル売りが加速、債券市場でも「緩和縮小近し」との思惑からドイツ国債等の利回りが軒並み上昇)。しかし、ドラギ総裁の真意は別にあると思います。キーフレーズは「我々には粘り強さと忍耐が必要」⇒今回の記者会見でも前回のシンドラでも繰り返し使われたフレーズです。ユーロ圏の消費者物価上昇率を見ると、いったん、2%程度まで高まったものの、原油価格の上昇が一服したこともあり、足元では1%台前半まで落ちてきています(エネルギー、食品を除いたコアコア指数を見ても1%前後で低迷)。本当に「デフレの力がインフレに置き換わった」とは考えられません。今回の「秋には議論」の真意は、マーケットの行き過ぎた「緩和縮小の思惑」が広が
らないうちに、徐々に「緩和縮小論議」を浸透させることで早期縮小論(タカ派的金融政策転換)を封じることにあったと思われます。米国のイエレン議長も同様の考え方(危惧)をしていると考えられます。米国 CPI の低迷は言うに及ばず(6月は前年比 1.6%上昇、2月のピーク 2.7%上昇から4ヶ月連続低下)、小売売上高の下振れ等、景気指標が思わしくありません。26 日の FOMC 声明文で早期緩和縮小(QTの9月決定、10 月開始)を強く示唆することがなければ(早期緩和論台頭に逡巡姿勢が滲み出ていれば)、世界的な長期金利低下が鮮明になる可能性があり要注視です(日本株にとっては、円高、小型グロース株高、好業績シクリカル系の頭打ちにつながる)。

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