日経平均38,000円台を変動ないまま横ばい状態で推移中…日本株どうなる?~2024年6月21日版~

2024/06/21

 

「日本株はどうなってしまったのだろう…」と心配になるような状態になってきました。毎週のように日経平均株価は横ばい状態が続き、ほとんど変動がない状況です。

今週の最も変動したタイミングは週初めで、その変動幅も約1.8%の下落にとどまっています。1日で2%以上の変動したのは4月下旬です。よって、約2ヶ月間大きくても1%の変動にとどまっています。

まさに”膠着状態”とも言える日本株ですが、このまま本当に膠着して、上昇も下落もしない状態が続いてしまうのでしょうか。

このまま変動が続かないと、私たち投資家やトレーダーにとっての利益の源泉が消滅したも同然です。いったい、この状況はいつまで続くのでしょうか。

そこで今回も、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2024/6/9~2024/6/20の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と同様に日経平均株価と株式市場全体が”あまり連動していない週”でした。

ただし、週初め6/17の日経平均株価の約1.8%下落の変動を除いては、1%以下の変動が続きましたので、連動性の有無以前の問題だったと考えられます。

上のグラフを見てもお分かりいただける通り、”無風状態”まさにこの言葉がふさわしい中で、両者の変動が起きました。

詳細を見ると、今週の中で最も日経平均株価の変動が大きかった週初め6/17に約1.8%下落のときは株トレンド指数と日経平均株価には連動性がありませんでした。

日経平均株価を円単位で見ると約700円下落しています。この700円の印象だけで見ると、人によっては大きく下落したと判断したかもしれません。

しかし、割合で見ると今週の中では最も変動が大きかったとはいえ2%未満の小幅下落です。連動はしていませんが、それを現すかのように株トレンド指数のどの指標も水準は小さく、無風状態を示していました。

ここから、この2%未満の日経平均株価の下落は、株式市場全体が無風状態であったことで、多少下落方向が強まったと判断できるでしょう。しかしながら、あくまでも多少の話です。

6/18は株トレンド指数の中で上昇傾向を示す天井指数の水準が多少上がりました。無風状態よりは上がった程度ではありますが、これに連動するかのように日経平均株価も1%の上昇を見せました。

6/19は再び株トレンド指数が示すように無風状態になり、それに連動するように日経平均株価も、ほぼ水平状態で推移しました。

そして、6/20は株トレンド指数を見る限り上昇傾向を示す天井指数の水準が上がったことで、無風状態よりは多少上昇傾向が強まりました。

ですが、株式市場全体を牽引するトレンドからはかけ離れていることもあり、日経平均株価は連動することなく、ほぼ水平状態の変動にとどまりました。

このように詳細を見ても、今週の中では多少変動のようなもが見られましたが、株式市場全体では”ほとんど動きがない状態”が続きました。

では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、引き続き4月下旬から横ばいに推移していることが分かります。

上昇もなければ下落もなく、株価変動もないので、完全に利益の源泉を失っているような状態に見受けられます。

ただし、良いほうで捉えると、下落することなく上値目安は39,000円付近~下値目安は37,000円付近のボックス圏を推移していますので、株価水準は維持できています。

一方、株トレンド指数を基準に見ると、再びやや天井指数が目立っているものの、株式市場全体を牽引するようなトレンドには至っていないことが分かります。

ここからも依然として”無風状態”が続いていることが読み取れます。一時的には小さなトレンドが発生しているものの利益を狙えるようなトレンドにはなっていません。

超長期投資をしている人であれば、これは一時的な動きとして流せますが、中期や短期で売買している人たちにとっては、そろそろ死活問題のような状況かもしれません。

特に、このような真横や水平とも言える状態の中で売買する気持ちを抑えられず売買をしてしまうと「思った方向と反対方向に株価が動く」ということが起きやすくなるでしょう。

もしくは、仕掛けに限って言えば「買った瞬間株価が下がる」ことが起きやすくなっていると考えられます。

特にこの「買った瞬間株価が下がる」に陥ると、小さな含み損が続く中で「できれば手数料負けしない水準まで上昇したときに手仕舞いしたい」と思うか、手数料無料であれば「何とかプラスマイナスゼロで抑えたい」と思うでしょう。

ですが、株式市場全体は真横や水平とも言える状態ですので、小さな含み損が解消されず精神的に厳しい状況が続くかもしれません。

また、2021年以降は「水平状態から急に上昇、再び水平状態に入り再び急に上昇」を繰り返していますので、次のチャンスが突然きたときに、その拘束された資金によってチャンスを逃すかもしれません。

だからこそ、この状況の悪い株式市場では何もせず様子見するのが最善の策となるでしょう。とにかく、利益を狙うのが難しいのが現状です。

むしろ、上手く利益を狙える動きをしている銘柄でない限り、それ以外の銘柄をここで無理に売買するのは含み損を抱え続けるか、場合によって大きくする可能性が高まることになるでしょう。

もちろん、今の水平状態であれば後者は考えにくいですが、どちらにしても今は積極的に動きべきタイミングではないと考えられます。

なお、もしここで利益を狙う売買をするのであれば、短期や中期は控え、最低でも長期での売買を考えて銘柄選定するか、超長期で選定するのが良いでしょう。

とにかく「短期や中期には向かない株式市場」であるのが、今の株式市場です。この点をよく理解しながら、無理な動きを回避していくことをおすすめします。

補足として株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると、需給バランスは以下の通りでした。

  • 外国人投資家:わずかに売り→わずかに売りが強まる
  • 個人投資家:わずかに買い→やや買いに水準が下がる
  • 日本の機関投資家:わずかに買い→買いの水準が上がる

3者をまとめると全体の需給バランスは「買いが均衡よりはやや上回る」です。このバランスから見ても、直近の日経平均株価の水平状態は説明がつくでしょう。

それまで買いと売りに偏りが出ていたのも関わらず、3者とも4月下旬から動きが落ち着いています。

外国人投資家は買いから少しずつ「売り」に転換しています。これに対し、個人投資家は売りから少しずつ「買い」に転換しています。残る期間投資家は「買い」のポジションには変化がなく、買いの水準だけが変化しています。

ここから見ても、改めて現状の株式市場全体が動かない状態の説明がつきます。予測らしい予測はできませんが、とにかくこの需給バランスに偏りがでるまで、株式市場全体は動かないでしょう。

また、それをふまえて念頭に置いておきたいのが「ボックス圏が長ければながいほど、抜けるときには上にも下にも大きく動く」ということです。

現状を見る限り、今の需給バランスを動かすような材料は見当たりませんが、もし何らかの材料が出た場合、日経平均株価が4万円を再度突破したり、反対に一気に下落するような動きが想定されます。

完全なる均衡状態にも近い状態ですので、今の時点では上下のどちらに抜けるかは分かりません。ですが、もし抜けるときはそういった大きな動きがあることだけは、今のうちから念頭に置いておきましょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2024/6/20(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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