日経平均39,000円回復も維持できず反落と反発を繰り返し方向感なく推移中…日本株どうなる?~2024年5月24日版~

2024/05/24

 

「どうして株価が動かないのだろう…」と思わずこぼしてしまうような状況が今週も続いています。

先週時点の”完全なる膠着状態”とも表現されるところは脱しましたが、今週もそれほど大きな変動はありません。大きくても5/23の1.26%の上昇です。

その他、日経平均株価が4月中旬以来39,000円を回復する場面も見られましたが、一時的な上昇にとどまり、そこからは反落し、再び反発して39,000円を回復するという方向感がない状態が続いています。

先週の膠着状態は脱したとはいえ、1%未満の変動がほぼ続いていることを考慮すると、あくまでも先週よりは動いたという程度にとどまっています。

そのような日本株ですが、この方向感のない状態はいったい、いつ終わるのでしょうか。そして、今後は上下のどちらに進む可能性が高いのでしょうか。

そこで今回も、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2024/5/10~2024/5/23の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は日経平均株価と株式市場全体が、”全く連動していない週”でした。

ただし、先週よりも無風状態に近づいた状態でしたので、これが日経平均株価を基準に相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数も使って相場分析する人では、それほど差異がなかったでしょう。

しかしながら、株トレンド指数を使うと「先週よりも方向感がなくなっている」ということが読み取れますので、日経平均株価の反発と反落を繰り返す姿は、特に気になるものではなかったでしょう。

反対に、日経平均株価を基準に相場分析する人は、4月中旬から38,000円台を推移していたこともあり、39,000円への回復を見て喜びもあったかもしれません。

ですが、そこから反落し、再び反発して39,000円回復し、5/24の日経平均株価も前場時点で反落していますので、株価の変動に翻弄させてしまっているかもしれません。

そのようなこともあり、日経平均株価だけで相場分析している人にとって、今週は翻弄され続ける疲れる週だったかもしれません。

とはいえ、この場面でムリに売買をしていなければ、実際の損益にはそれほど影響がないと考えられます。そういった意味では、「利益は削られないが、精神だけ削られる週」だったかもしれません。

では改めて詳細を見てみましよう。大まかには横ばいかつ無風状態に近い週ではありますが、細かい変動は見られます。その部分をみていきましょう。

週初め5/20は日経平均株価が39,000円を回復し、株トレンド指数の中でも上昇傾向を示す天井指数が最も高い水準でした。

ただし、日経平均株価は天井指数の水準ほど上昇を見せませんでした。39,000円を回復はしているものの、1%未満の上昇にとどまりました。

よって、一見連動しているように見えますが、詳細を見ると連動をしていなかったのが、週初めでした。

5/21は水準が下がったものの株トレンド指数の中で最も高い水準であったのが天井指数でした。そうなると、1%未満の上昇を見せても良いところですが、日経平均株価は下落しました。

5/22もさらに水準は下がったものの、各指数の中では天井指数の水準が高かったにも関わらず、日経平均株価は小幅下落しました。

5/23は日経平均株価が再び39,000円を回復しましたが、株トレンド指数の中で上昇傾向を示す天井指数の水準は、日経平均株価の上昇率ほどの水準を見せませんでした。

このように今週は、終始日経平均株価と株トレンド指数がチグハグし、常に差異生じているような週でした。

これまで様々なボックス圏を経験してきましたが、いくらボックス圏特有の方向感のない推移があるとはいえ、ここまで両者がチグハグで動くことはなかったと思われます。

今回は、これがほぼ無風状態で起きたので、実際の損益には影響が少なかったと考えられますが、もう少し大きな変動のあるボックス圏で起きていたら、少々困った事態になったかもしれません。

そして、この今週の両者のチグハグ具合が示すように「方向感がなく、次の展開が全く読めない」というのが今の状況でしょう。

先週の段階では、同じボックス圏での推移でも、ボックス圏の上値に向かって動き出そうとしているのかなと可能性の1つとして読み取ることができました。

しかし今週に入ると、株トレンド指数の発生状況の通り、再び無風状態に近くなってしまったので、ボックス圏の上値と下値のどちらに向かって動き出すか全く分からなくなってしまったでしょう。

では、直近2ヶ月間の状況もふまえて、現状をより詳しく見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、先週よりは変動が見られますが引き続き4月下旬から横ばいに推移していることが分かります。

「なぜこんなに株価が動かないのか?」と思うほどの状況は脱したものの、期間を広げて見ると、状況はそれほど変わっていないことが分かります。

また、この状況を見る限り、引き続きボックス圏の下値目安は37,000円付近、上値目安は39,000円付近だと考えられます。

今週39,000円を回復するも、すぐに反落したり、そこから再び反発したりしていたのは、このボックス圏の上値の突破を試みるも、勢いが足りず跳ね返されたと考えられます。

一方、株トレンド指数を基準に見ると、先週よりも動きが小さくなっていることが分かります。これを見ると、日経平均株価など株価が全体的に動きにくい状態であることが分かります。

なお、先週の段階では「ボックス圏の中で多少上昇に向かって動こうとしている」と読み取ることができました。しかし、その動きに加速がなかったことから、日経平均株価などを中心に39,000円回復から上昇できなかったのでしょう。

この両者をふまえると、依然としてボックス圏を推移していますが、先週からの流れで、ボックス圏の上値に向かって動き出したことは分かります。ですが、上抜けには勢いが足りず反落しているのが現状です。

そうなると、今後はボックス圏を推移しているので方向感なく推移するのは前提ですが、このまま失速しボックス圏の下値に向かう動きがない限り、再度39,000円を回復するような動きが見られるでしょう。

ただし、明確な上抜けになるには勢いが不足しています。ここから株トレンド指数の水準が上がってこない限り、何度も39,000円付近で反落と反発を繰り返すでしょう。

では、補足として株式市場全体の需給バランスも見ておきましょう。タイムラグはありますが最新の 「投資主体別売買動向」を見ると、需給バランスは、以下の通りでした。

  • 外国人投資家:やや買い→中立
  • 個人投資家:やや売り→やや売り
  • 日本の機関投資家:わずかに買い→やや買い

最新のデータでは、このような需給バランスでした。これを見る限り、引き続き需給バランスは三者三様であることもあり、全体的に見ると「中立」の状態であることが分かります。

タイムラグはありますが、このデータを見ても直近の株価の動かさなさを示すことができるでしょう。そして、この需給バランスが偏らない限り、直近のボックス圏を抜け出すことは難しいでしょう。

このように需給バランスを見ても、なかなか株価が動きにくい状況であることを示しています。そこに加えて株トレンド指数の発生状況も同じことを示しています。

そうなると、やはり今週の日経平均株価のように動きは多少あるものの、結果的には方向感のない水平状態が続く理由の根っこが見えてきます。

そのよなことが全体から読み取れますので、ここからは「しばらく横ばい状態が続く」と想定しながら様子見するのが良いかもしれません。

ただし、将来の株価は誰にも分からないことが前提です。引き続き株トレンド指数の水準の変化や株式市場全体の需給バランスを見ながら、変化が起きるタイミングを逃さないように見ていきましょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2024/5/15(水)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。

この記事の「株トレンド指数」を使うことで、相場の天井付近や底値付近を、できるだけ具体的に知ることができます。もし、あなたも実際に有効な「売買のタイミング」を習得したいなら、この記事で使用している『株トレンド指数(無料版)』を今すぐ手に入れてください。

 

この記事で使用している【株トレンド指数(無料版)】を受取るにはこちらをクリック

 

【無料】で『株トレンド指数(無料版)』を受け取るには、今すぐこちらをクリックしてください。

この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

<無料>高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック

【高橋佑輔の関連記事】

株式会社シナジスタ
なぜ「高値掴みする投資家」と「底値付近で買える投資家」がいるか?それは「値動きの法則」の知識の差です。その法則を使い、過去12年で11年間利益を上げる現役トレーダー高橋佑輔が相場を分析。法則を学び、底値付近で買える投資家を目指しましょう。
株式会社シナジスタの提供する、コラム・教育サービスは、投資に関する考え方の一例をご紹介するというものですので、その正確性や完全性等について保証するものではありません。 実際の投資はお客様のご判断・ご責任で行って頂くものであり、当社は、お客様の投資におけるいかなる利益も保証するものではなく、また、お客様の投資によるいかなる損害に対しても補償を行うものでもありません。 本書の内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。

このページのトップへ