日経平均高値圏を維持も膠着状態のまま横ばいに推移中…週明けどうなる?~2023年12月1日版~

2023/12/01

 

先週日経平均株価が年初来高値を更新したものの、まだ終値ベースで更新していないこともあり、なかなか思うように株価が動いていません。

今週に限りっては、小幅に下落した分だけ上昇するなど、1%未満の変動が続き、膠着状態と言っても良い状況が続いています。

依然として、高値圏を推移しているものの、ここまで膠着状態が続くと、次の展開が待ちきれず嫌気が指すタイミングかもしれません。

日経平均株価が一段上昇した11月中旬以降、ほぼ株価が動かない状況が続いていますが、この状況はいつまで続くのでしょうか。

そして、もしここから株価が動くなら、上方向と下方向のどちらに推移する可能性が高いのでしょうか。

そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2023/11/16~2023/11/30の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と違い、日経平均株価と株式市場全体が、”あまり連動していない週”でした。

また、先週まで続いた「空売り指数」を中心に株式市場が動く状態が終わり、通常の動きに戻りました。これにより、大まかには今週でいったんトレンドがリセットされたと考えられるでしょう。

詳細を見ると、週初めの11/27に、各指数の水準が一旦横並びに近い状態になり、トレンドがリセットされたことが分かります。

先週までは、上昇傾向を示す天井指数もある程度の水準を保っていましたが、今週に入りその水準が落ち着きました。空売り指数も同水準ではありますが、先週までの水準ではなくなりました。

つまり、これまでは突発的な上昇や大相場になる可能性がありましたが、それらの上昇の可能性は「ダマシ」であったと考えられるでしょう。

また、この11/27に起きたトレンドのリセットにより、これから上方向に動くのか、下方向に動くのかは、全く分からなくなったと考えられます。

よって、この日を起点に、ボックス圏を上抜けする勢いもなくなり、ボックス圏の上値付近を横ばいで推移するか、ボックス圏の中心に向かって下落していくかの2つの選択肢が出てきたと考えられます。

そして、11/28以降は、日経平均株価と株トレンド指数指数が、あまり連動することなく、株トレンド指数は無風状態よりはやや上の水準を推移し、日経平均株価は方向感なく推移しました。

このように、今週は先週まで可能性としてあった上昇がダマシであることが確定した週だと考えるのが妥当でしょう。

加えて、次の展開に進む前の、トレンドがリセットされ、次の方向感が決まるまでウロウロする週だと考えられるでしょう。

ただし、そのような中でも強いて言うなら、トレンドは一旦リセットされましたが、まだ上昇の勢いを若干ではありますが、保っています。

依然として、天井指数が各指数の中で最も高い水準を維持しています。これが要因で、日経平均株価は大きく下落することなく、高値圏をウロウロとしている状態なのでしょう。

反対に言えば、この天井指数が弱まると、この高値圏を維持するパワーがなくなりますので、そのときはボックス圏の中心に向かって一時的に下落する可能性が高まるでしょう。

いずれにしても、日経平均株価が終値ベースで年初来高値を更新していないこともあり、まだ勢いのある上昇トレンドは発生せず、再び方向感を捉えるのがとても難しいボックス圏に戻ったと考えられます。

あくまでも今週の状況を見る限りではありますが、この膠着状態とも言える状況が変わるには大きな材料がないと難しいでしょう。

材料が発生しないと、徐々に天井指数の水準が下り、一時的に下落の勢いが高まることも想定されます。

このように、今はギリギリのラインで高値圏を維持しているだけで、いつボックス圏の中心に向かって下落してもおかしくないと捉えておくと良いでしょう。

では、より現状を詳しく見ることを目的に直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。

日経平均株価を基準に見ると、引き続きボックス圏の上値付近まで上昇し、その水準を維持していることが分かります。一時は上抜けを期待しましたが、なかなかその勢いが出ることなく、横ばい状態が続いています。

次に、株トレンド指数を見ると、まだギリギリの水準で上昇の勢いを保っているものの、先週までの勢や空売り指数優位の状態がなくなり、通常の株式市場の状態に戻ったことが分かります。

無風状態まではいきませんが、各指数が横並びに近い状態になりましたので、ここでいったんトレンドがリセットされたとが分かります。

このように、一時時はボックス圏の水準が下がる可能性もあったところから上昇し、高値圏を推移するまでに株式市場が変化してきました。

しかし、あくまでもそれはボックス圏の上値付近を維持しているだけで、それを上抜けするパワーが不足していることも、ここから読み取れます。

以上を考慮すると、やはりいったんトレンドがリセットされたうえ、次のトレンドを発生させるパワーもありませんので、ここからしばらく横ばいに推移するか、再びボックス圏の中心に向かって下落すると考えられます。

 
補足として株式市場の需給バランスを見ておきましょう。最新の 「投資主体別売買動向」を見る限り、需給バランスは、以下の通りでした。

  • 外国人投資家:小さく買い → 買いに転換
  • 個人投資家:小さく売り → 売りに転換
  • 日本の機関投資家:ほぼ中立(小さく売り) → ほぼ中立(小さく売り)を維持

最新週のデータでは、前週のデータから変動がありました。全体としては、買い、売り、ほぼ中立と三者三様です。タイムラグのあるデータですが、ここからも直近の株式市場が膠着状態になっていることが分かります。

こうなると、次の展開が起きるには、買いか売りに需給バランスが偏ってくるときになります。日本株は12月上旬から中旬に掛けて上昇しやすい傾向があります。

しかし、中旬を過ぎると、外国人投資家が休暇に向けて手仕舞いをすることが多くなり下落が強まる傾向があります。ただし、その一方で、個人投資家が動き出すこともあり、全体としては上昇する傾向があります。

このように12月の需給バランスのキーになるのが前半は外国人投資家、後半は個人投資家のように変わってきます。そういった意味では、この2者の動きも着目しながら、次の展開があるタイミングを見ていくと良いでしょう。

今週の動向を見ても分かる通り、今は一旦トレンドがリセットされ、全く方向感が分からない状況です。

そのような中で言えるのは、まだ上昇のパワーが不足しているので、このまま日経平均株価の高値圏を維持が続くか、ボックス圏の中心に向かって下落するかでしょう。

万が一、上昇しボックス圏を上抜けするには、外国人投資家が大きく買いに出るなど、何らかの材料が必要になってくるでしょう。

次の展開を予測するには、こういったポイントがありますので、ぜひこのようなポイントに着目しながら、ここからの動向も見ていきましょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2023/11/30(木)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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