日経平均32,000円回復し横ばい状態になるも上昇勢いを保ったまま推移中…週明け再上昇の可能性は?~2023年11月10日版~

2023/11/10

 

日経平均株価が再び32,000円を回復し、33,000円回復も射程圏にする水準まで上昇してきました。

10月は日本株が低迷し、このままボックス圏の水準が下がりそうな局面もありましたが、今月に入り一気に状況が変化しました。

11/1の約2.4%の上昇後に小幅変動はあったものの、11/9に約1.5%上昇し、上昇が止まることなく、少しずつ勢いが出てきているようにも見受けられます。

再び日経平均株価が33,000円を目指す水準まで上昇してきた日本株ですが、ここからどのような推移が予測されるのでしょうか。

そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2023/10/26~2023/11/9の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と違い、日経平均株価と株式市場全体が、”連動しているとも、連動していないとも言えない週”でした。

これまで継続的に相場解説を続けてきましたが、両者が”連動しているとも、連動していないとも言えない週”という表現を使用するのは初めてです。

なぜなら、今週の株式市場はそれくらい”珍しい”状況でした。連動は全くしていないものの、連動していないわけでもないので、どちらでもないのが今週でした。

また、今週の特筆すべきことは株トレンド指数の中でも「空売り指数」を中心に株式市場が動いていたことです。これが要因で、これまでにない株式市場の動きをしていたと考えられます。

これをふまえると、今週は日経平均株価だけで相場分析する人たちと、株トレンド指数も使って相場分析する人たちでは差異が出た週と考えられます。

これらをふまえて詳細を見ると、今週の日経平均株価は2.37%の上昇からスタートしました。その後、小幅に上下しましたが、11/9に1.49%の上昇を見せ、週初めの水準にほぼ戻りました。

この動きに対し、株トレンド指数は珍しい動きをしました。今週は全体的に見れば横ばい状態の推移です。

通常そのような場合は、各指数が同水準になったり、上昇傾向を示す天井指数が小さくなったりして小幅な変動が続き横ばい状態になります。

しかし、今週に限ってはそのような動きは見られず「空売り指数」の水準が大きく上昇しました。

この水準は、日経平均株価が3万円を上抜けするきっかけになった5月から6月の上昇時以来です。ただし、細かく見ると今週の水準はそれを超えていますので、厳密には昨年1月以来と読み取れます。

ただし、それらのときは上昇傾向を示す天井指数も上昇するなど、今週のような動きはしていませんでした。

そのようなこともあり、今週は天井指数だけを見れば日経平均株価と連動しているようにも見えますが、空売り指数の珍しい動きを考慮すると、連動していないと捉えられる状況でした。

特に今は過去の上昇時に上昇したときの空売り指数の上がり方ではなく、単独で上昇している場面です。これは昨年3月以来のことですので、本当に珍しいことが分かります。

また、昨年3月のときは、直前に下落が強まり暴落の可能性もあるときでした。そこからの回復過程で同じような状況になりました。

これは、暴落や大幅下落など、下落から回復するときに通常見られる動きです。空売り指数が上昇することで、ようやく下落リスクが弱まり、短期的なトレンドがリセットされる状況で発生します。

しかし、今週は状況が全く違います。一時下落リスクはあったものの、まだ大幅下落や暴落を心配するような状況ではありませんでした。

そこから小さな上昇が発生したことで日経平均株価は22,000円、23,000円と上昇してきました。そのような中、今週はこの空売り指数に振り回されたとも考えられます。

空売り指数は「相場全体の上昇にブレーキが掛けるもの」です。先週の天井指数の発生状況をふまえると、ここから天井指数がいったん弱まり、再上昇する可能性がありました。

それに対して実際には、天井指数は想定通りの動きをしたものの、空売り指数が全く違う動きをしました。

空売り指数は「相場全体の上昇にブレーキが掛けるもの」ですので、この点を考慮すると、今週は本来であれば、もっと上昇したかったにも関わらず空売り指数によってブレーキを掛けられた週だと読み取れます。

なお、通常はこの空売り指数の発生が増えてくると急騰の可能性がありますが、今回は通常よりも発生数が多いので、違った動きをすることも想定されるでしょう。

では、より現状を詳しく見ることを目的に直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。

日経平均株価を基準に見ると、10月はボックス圏の水準が一段ずつ下がり、常に下値付近に向かって動いていましたが、先週からボックス圏の水準に変化があったことが分かります。

先週の時点では、まだ低くなったボックス圏の上値付近で跳ね返されるリスクもありましたが、そのまま上抜けし、9月下旬頃の下落前水準に戻ったと読み取れます。

また、先週から上昇はしているものの、まだ小さな勢いにとどまり、日経平均株価の高値更新を狙うような水準ではないことが分かります。

依然として、日経平均株価の高値更新後のボックス圏を上下し、まだ抜けきれていないのが現状でしょう。

次に、株トレンド指数を基準に見ると10月中旬からくすぶっていた下落リスクが、ようやく限りなく小さくなったように見受けられます。

また、直近2ヶ月間の中では、今週の空売り指数の水準はとても高く、前述の通り珍しい状態になっていることが分かります。

これらをふまえると、先週から日経平均株価が急上昇したようにも見えますが、依然としてボックス圏を推移し、あくまでもボックス圏の中での上昇だったと読み取れるでしょう。

ただし、ここからまだ分からないのが、やはり空売り指数の動きです。これまでの似た状況では、急上昇は見せたものの、直近の高値を更新するような動きはみられませんでした。

しかし、今回はすでに円単位で見ると急上昇のような動きを見せ、その次の段階で空売り指数が急上昇しています。

このような状況をふまえると、ここから更に上昇する可能性だけでなく、ダマシの可能性も想定しておくと良いでしょう。

順張り戦略を基準に考えると、上昇する確率は40%程度です。残り60%はダマシですので、あくまでも両面を考えて来週を見ていくのが良いでしょう。

このように先週時点では、まだ今週の動きが読めない状況でしたが、実際には急転とも言える動きをしてきました。しかも、その内容がこれまでにないような珍しい動きをしています。

できれば、この勢いが途切れることなく、このまま上昇を願いたいところですが、現状はあくまでもボックス圏を推移していることを忘れてはいけません。

起きていること全てが、ボックス圏の中の話ですので、前提として「常にどちらに動くか分からない」ことだけは忘れずにいましょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2023/11/9(水)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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