日経平均再び31,000円回復し、そのまま下落前水準に向かって推移中…週明けどうなる?~2023年11月2日版~

2023/11/02

 

日経平均株価が再び31,000円を回復し、そのまま32,000円の回復も目前とするほどまで上昇しました。

先週26日に2.14%下落し、円単位では668円下落したこともあり、一気に31,000円を割りました。そこから、なかなか回復の基調なく軟調に推移したところ、11/1に2.41%の上昇を見せ、一気に31,000円を回復しました。

ジェットコースターとまではいきませんが、2%台の変動で、円単位では31,000円を行ったり来たりしていることで、上下に大きく動いている印象も受けるかもしれません。

先週まではボックス圏の中でも、下値に向かって動いている様子でしたが、今週は反対方向に動いたことで、またもや展開を読みにくい状況になってきました。

そのようなこともあり、ここから日本株が一体どのように推移していくのか、気になる方も多いでしょう。

そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。

 

今週の株式市場動向


こちらをご覧ください。こちらは2023/10/19~2023/11/1の日経平均株価と株トレンド指数の状況です。

※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です

株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。

  • 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
  • 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
  • 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
  • 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
  • OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
  • RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数

※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください

これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と違い、日経平均株価と株式市場全体が、”ほぼ連動している週”でした。

ただし、今週は祝日の都合で3日間のデータで見た場合の判断です。あくまでも参考程度の情報として捉えるのが良いでしょう。

しかしながら、その前提で読み取っても、今週の3日間は日経平均株価と株式市場全体の連動性がある週でした。

詳細を見ると、週の初め10/30は下落傾向を示す底値指数が目立っている通り、日経平均株価も下落しました。

ただし、底値指数の発生よりは日経平均株価の下落幅のほうが小さいので、両者に連動性は見られるが違いもありました。

10/31は、日経平均株価は1%未満の小幅上昇だったのに対して、上昇傾向を示す天井指数が9/19以来30以上の水準に到達しました。

しかし、同時に下落傾向を示す底値指数の水準も前日の流れが続いていたので、上昇と下落が綱引き状態になり、日経平均株価は小幅上昇に留まったと考えられます。

11/1は、日経平均株価が2.41%の上昇を見せ、一気に31,000円半ばまで回復しました。そのときの株トレンド指数は、天井指数が前日よりも上昇し、底値指数が下がったことで、完全な上昇傾向を示しました。

このように詳細を見ると対象連動性のない部分もありますが、全体としては、ほぼ連動していたがの今週でした。

そして、このことから今週は3日間ではありますが”全く展開が読めない週”であったとも読み取れます。

先週は前述の通り、日経平均株価を基準に見ると、ボックス圏水準が10月前半よりは下がり、一段下がった中で、ボックス圏の下値に向かう動きが見られました。

まだ下抜けするような勢いはないものの、底値指数の上昇次第では、下抜けリスクもあるような状況でした。

しかし、その状況を急転させるかのように、今週はトレンドが変わりました。もちろん、ボックス圏を推移している限り、上下のどちらに進むか分からないので、この急転は想定すべきことかもしれません。

しかしながら、今回の急転は前兆がない中で起きたことです。徐々に底値指数が減少したり、徐々に天井指数が上昇したりすることなく、急に転換されました。

強いて言うなら、10/31がターニングポイントだったでしょう。上でもお伝えした通り、この日の株トレンド指数は、一旦トレンドが中立に近い状態になりました。

天井指数も急上昇しましたが、底値指数も前日と同じ水準を保っていたことから、一旦ここでトレンドがリセットされたと考えられます。

ただし、これは日経平均株価を基準に分析する人は読み切れない話です。また、私たちのように株トレンド指数で相場分析しても、あくまでもあとから分かったことで、今回だけは前兆を読み取ることが難しかったでしょう。

正直に言えば、11/1の急上昇があったから、前日の10/31の状況をターニングポイントとして分析できたと考えられます。もし、11/1の上昇がなければ、このように分析するのは難しかったでしょう。

とはいえ、後からでも、このような分析ができるのと、日経平均株価の推移だけを見ても何が起きたか全く分からない状況では、メンタル面が違います。

いつものように予測ではなく、後からの分析で分かったという話ではありますが、結果的には今週も日経平均株価だけを基準に相場分析する人と、私たちのように株トレンド指数で分析する人では、株式市場への向かい方が違っていたでしょう。

では、直近2ヶ月間の状況も見てみましょう。日経平均株価を基準に見ると、先週までは悲観的な下落も想定されつつ、ボックス圏の下値付近で下落が止まることが予測されましたが、そのような動きになったように見えます。

ただし、先週までと変化していることもあります。それはボックス圏の水準です。もし、今週の上昇がここで止まると、ボックス圏水準は10月上旬よりも下がったことになります。

反対に、上昇が止まらないか、上下しながら横ばいを維持する場合は、10月上旬のボックス圏の水準まで戻る可能性が出てくるでしょう。

まだ判断が難しいところではありますが、10月上旬の下落前水準に向かって上昇しているのが今週です。週明けの動き次第で、ボックス圏の水準の判断ができてくるでしょう。

次に、株トレンド指数を基準に見ると、先週まではやや下落方向に動き出すような動きが見られましたが、今週の上昇で急転していることが分かります。

これまで上昇傾向を示す天井指数はほとんど発生してきませんでしたが、ここにきて急に発生しました。

まだ突発的な上昇に近い状況ですが、ここから少しずつ天井指数が上昇すると、再び10月上旬のボックス圏の水準に戻ることになるでしょう。

このように、先週までは「ボックス圏の下値付近まで緩やかに下落」「ボックス圏の下値を緩やかに下落」「ボックス圏の下値を一気に下落(大幅下落・暴落)」のようなシナリオも考えなければならない状況でしたが、「下値を抜ける」ことの想定は必要なくなったでしょう。

ただし、引き続きボックス圏を推移していることには変わりなく、全く展開が読めない状況です。

現状も、週明け次第ではありますが、あくまでも現時点の状況を見る限り、ここからは「ボックス圏の中心に戻りつつある」と読み取れます。

もし、天井指数が更に上昇するようなことがあれば「ボックス圏の上値付近まで上昇」することも予測されます。

もし、ここから横ばいになる場合は、ここがボックス圏の中心点でもあるので、再び上下のどちらに推移するか分からないと考えられます。

いずれにしても、先週までのボックス圏の下値方向に向かう動きは、いったんおさまったように見えます。ただし、ボックス圏特有の動きである、どちらに進むか分からないことは念頭に置いておきましょう。

このように、先週から今週に掛けての状況を見ると「誰も予測できない」とも言える、全く展開の分からない状況に陥っています。

今週は天井指数が上昇して上昇傾向を示していますが、まだ期間が短いので、突発的な上昇の可能性も残しています。

また、底値指数の水準もまだ下がり切っていないことから、再び急転して下落方向へ動き出すことも想定されます。

「誰も予測ができなく、あらゆる方向に動く可能性がある」これが、今の状況でしょう。ここまで予測が難しいのは、無風状態のときを除いて年間を通じてはじめてかもしれません。

無風状態であれば急に方向感を持って動き出すことはありませんが、現状のようなトレンドの発生状況では急に動き出すこともあります。

そういった意味では、上昇であれば良いですが、下落であればリスクが一気に出てくることもあります。

とにかく、このように判断も難しく、一歩間違えるとリスクが高まる状況ですので、週明けの動向を慎重に見ていくのが良いでしょう。

背景にボックス圏であることをあるかぎり、油断は禁物なうえ、不用意な動きが損失を拡大することもあります。

今は、無風状態のときよりも、変に動きがあるだけ難しい状況です。決して無理することなく、週明けの動向を見ていきましょう。

 

※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。

※2.本記事は2023/11/1(水)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました(日経平均株価のみ11/2前場時点での状況が含まれます)。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。

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この記事を書いている人

高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ) ー高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)ー

トレード歴12年以上の現役トレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。単年で負ける年もあったものの12年間以上、安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。

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