日経平均年初来高値更新も32,000円を維持できず停滞中…どこまで上昇する?~2023年6月8日版~
日経平均株価は今週も年初来高値を更新し32,708円をに到達しました。しかし、高値更新日の終値は31,913円と、32,000円を割ってしまいました。
調整は入ったものの、全体的な上昇トレンドは継続し順調に上昇を続けているものの、日経平均株価32,000円を終値ベースで維持するのは、なかなか難しいのでしょうか。
先週よりは方向感が上向きに出てきたものの、このようなことが起きると「そろそろ天井なのでは…」と不安が出てくるかもしれません。
その一方で「まだ上昇するはずだ!」と、さらなる上昇を期待している人もいるかもしれません。
ここ10年の間に株式投資を始めた方にとっては、日経平均株価が未知数の水準に来ていることもあり、ここからの展開が読みにくいかもしれません。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2023/5/25~2023/6/7の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
株トレンド指数は、以下のような4つの指数で構成されています。
・天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
・底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
・押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
・空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は先週と違って、日経平均株価と株式市場全体が、”ほぼ連動している週”でした。
まだ週の半ばでの判断ですので、後半は分かりませんが、少なくとも前半は、ほぼ連動している週だと判断できます。
5月中旬頃の上昇の勢いはいったん途切れましたが、今週の前半は、再び同じような勢いを取り戻しました。
日経平均株価は、一気に32,000円を超え、更に上昇するのではないかと思うほどの動きを見せました。
ただし、日経平均株価も株トレンド指数も、それらの動きが示すように6/7に下落し、その上昇の勢いがやや薄れたように見えます。
しかし、このようなときに注目したいのが「株トレンド指数」の動きです。
日経平均株価だけを見ると、6/7に下落し、続いて6/8も下落したので、上昇の勢いがここで止まったように見受けられます。
特に直近は、多くの投資家が未知数の水準に来ていますので「天井がいつか?」を意識してしまうタイミングかもしれません。
つまり、そのような精神的な部分と、この日経平均株価の動きが連動することで、人によっては「もう天井ではないか…」と考えているかもしれません。
では、現状を日経平均株価だけでなく、株トレンド指数も踏まえてみるとどうなるでしょうか。
株トレンド指数指数の動きを見る限り、まだ上昇の勢いがなくなった状態ではないことが分かります。
なぜなら、上昇傾向を示す天井指数や、上昇にブレーキをかける空売り指数の動きが、まだ下落方向に転換するような動きではないからです。
それを詳しく見るために、直近2ヶ月間の状況を見てみましょう。
日経平均株価を基準に見ると、5月中旬に発生した上昇基調が終わり、今週半ばから下落しているように見えます。しかし、こうやってみると、天井を付けたとは判断しにくいでしょう。
また、株トレンド指数を見ると、天井指数の水準が、一時的に下がっているものの、まだ上昇の勢いを残したまま下がっていることが分かります。
それに加えて、その後の突発的な上昇や急騰を示すかのように、空売り指数が天井指数の水準を上回っています。
もし、この関係が反対で、空売り指数のほうが天井指数よりも小さい場合は、そのまま上昇トレンドが終焉に向かうと考えられます。
つまり、この状況を踏まえると、まだ上昇の勢いは止まっておらず、再上昇の余地を残していると読み取れるでしょう。
まだ、最新の 「投資主体別売買動向」が出ていないので分かりませんが、先週時点では、直近の受給バランスは、以下の通りでした。
- ・外国人投資家:買いを維持
- ・個人投資家:中立
- ・日本の機関投資家:売り
もし、この3種類の投資家が全員売りに入ったら上昇トレンドが終焉に向かうと考えられますが、現状を見る限り、個人投資家が「ここを天井」と判断し、売りに転じたことで下落していると考えられます。
外国人投資家も売りに転じた場合は、下落スピードがもっと早くなりますので、そのような状況であることが予測できるでしょう。
そういった意味では、最新の 「投資主体別売買動向」がどのようなバランスになり、株式市場全体の受給バランスがどうなるかが分かると、ここからの展開を読みやすくなるでしょう。
それに加えて、株トレンド指数は、まだ上昇の余地があることを示しています。
もちろん、これは順張り戦略で考えると、40%の確率で50%を切っているので、ダマシであることも念頭に置かなければなりません。
しかしながら、そのリスクをふまえつつも、この未知数の状況は、まだ続くと考えられるでしょう。
ここからは、未知数の領域を進むので、何かと判断が難しいかと思います。そういったときにこそ活用できるのが、この株トレンド指数です。
この株トレンド指数は、投資家心理を数値で表しているようなものですので、その心理をふまえつつ、 「投資主体別売買動向」で株式市場全体の受給バランスを見ていくと、次の展開を読みやすくなるでしょう。
今週前半の動きを見る限り、日本の機関投資家か、個人投資家に動きが出てきていることは高い確度で予測されます。
外国人投資家が引き続き、日本株を買いのスタンスを続けている限り、日本株上昇の下支えをし、それがこのように株トレンド指数に反映されているのでしょう。
ぜひ、日経平均株価だけでなく、この株トレンド指数も見ながら、ここからの株式市場の動向を見ていきましょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2023/6/7(水)時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。(日経平均株価のみ6/8の状況も含まれています)
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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