日経平均27,000円半ばを抜出せず停滞中…週明けどうなる?~2023年2月3日版~
日経平均株価が27,000円半ばまで上昇しているものの、ほぼ水平状態で停滞している状況を見て、ここから上にいくのか、下にいくのか、気になる人はいますか?
もしくは、1/16を底値に上昇してきているので、ここはさらなる上昇に向けた調整局面と見て、ここからの上昇を期待している人はいますか?
先週、日経平均株価が27,000円を回復したものの、終値ベースで見ると、先週半ばから”ほぼ水平状態”とも言える、とても珍しい動きをしています。
その影響もあり、日経平均株価の推移だけでは、なかなか方向感がつかめず、これから日本株市場がどう動くのか、予測がなかなか難しい状況にきています。
そのようなこともあり、日本株市場がこれからどのような展開になるのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは2023/1/20~2023/2/2の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は、先週に続き日経平均株価と株式市場全体が”ほぼ連動している”状態でした。
そのようなこともあり、こちらも先週に続き、日経平均株価と基準にする投資家と、私たちのように株トレンド指数を基準に相場分析する投資家では、あまり差異がなかった週と読み取れます。
ただし、あくまでも大まかに見ると差異がなかった週というだけで、細部を見ると横ばい状態の内訳の捉え方で差異が出たと考えられるでしょう。
具体的に見ると、今週前半は1/30に小幅上昇、1/31小幅下落でしたが、株式市場全体の中で全体のトレンドを牽引していたのは、天井指数でした。
もちろん、発生数が小さいので、大きく株式市場を動かすようなパワーはありませんでしが、1/31までは、先週ピークを迎えた上昇トレンドの勢いが、まだ残っている状態でした。
よって、発生が小さい中での話にはなりますが、今週前半は上昇への勢いがある状況でした。
それに対し後半は、2/1、2/2と日経平均株価は小幅上昇していますが、株トレンド指数を見ると、どの指数も、それほど差がない発生状況になり、トレンドがない状態になりました。
やや天井指数が優勢ではあるのですが、その他の指数もまんべんなく発生し、週の前半のように目立った指数がない状況でした。
このように、日経平均株価は、ほぼ水平状態のような推移をしていましたが、株トレンド指数で見ると、その内訳が週の前半と後半で違っていたことが読み取れます。
ただし、上記でお伝えした通り、日経平均株価と株式市場全体が、ほぼ連動していましたので、この読み取りの違いが、利益状況を左右するようなものではないでしょう。
しかし、株式投資で重要なメンタル部分が、このような読み取りの違いで変わり、これから影響を及ぼすかもしれません。
日経平均株価だけを見てトレンドを捉えている彼らにとっては、今週は「ほぼ水平状態」と、そのままの状況を受け止めるしかなかったでしょう。
反対に、私たちのように株トレンド指数で相場分析をしていると「なぜ、水平状態か?」「どのような内訳の水平状態か?」が分かり、その動向の受け止め方が変わるでしょう。
前者は、理由も分からず日経平均株価の停滞を見て、日々「そろそろ動いても良いのではないか」と根比べのように待つことになるでしょう。
それに対して、株トレンド指数で相場分析している私たちは、全体的にトレンドが発生していないことや、小さなトレンドの内訳を把握できるので、「まだ、株式市場は動く準備ができていない」と理解することができるでしょう。
前者は、わけも分からずガマンが続き、後者は、「明確に今は動かないから待とう」と、株式市場への向き合い方が対極と言って良いほど違います。
今は、まだ動くときではないので、両者に差異が出ることはないと思われますが、ここから利益を狙うチャンスが出たり、ダマシのような場面があると、差異が出てくるでしょう。
なお、今週の動きを見る限り、先週と日経平均株価の水準は変わらないので、長期のボックス圏の中心あたりで方向感なく推移していると考えられます。
では、現状を詳しく理解するために直近2ヶ月の状況を見ると、今週の株式市場は、日経平均株価基準で見ると、11月よりはやや下がった水準を推移しているようにも見えますが、引き続きボックス圏の中心を方向感なく推移していると読み取れます。
また株トレンド指数を見ると、日経平均株価が27,000円台を回復するきっかけとなった短期的な上昇トレンドは、やはり先週をピークに収まりつつあることが読み取れます。
日経平均株価だけを基準にトレンドを判断している彼らにとっては、日経平均株価が水平状態に推移しているので、まだトレンドが収束に向かっていないと判断する人もいるかもしれません。
しかし、株トレンド指数の中の天井指数の発生状況を見ると、今週で収束に向かっていると考えられます。
ただし、まだ収束すると言い切れないところもあります。2/3のデータ分析の結果がどうなるかにもよりますが、引き続き天井指数が下がりきらない場合は、再上昇の可能性を残すことになるでしょう。
ですが、それはあくまでも可能性です。また、先週をピークに短期的な上昇トレンドが収束に向かっていることは同じです。
先週をピークにした短期的な上昇トレンドと、これから再上昇の可能性のある上昇トレンドは、同じものではなく、別物であることには注意しておきましょう。
現状は、大相場をむかえる前兆の短期的な上昇トレンドではなく、単発で発生した小さな上昇トレンドが続いているような状況です。
なお、このような読み取りにも現れる通り、今は再び株式市場がどちらかに動き出そうとしている調整局面だと考えられます。
しかしながら、まだどちらに動こうとしているのかは分かりません。短期的な上昇トレンドが収束に向かって動いていることに伴い、いったんトレンドがリセットされた状況です。
やや天井指数が目立つので、上昇を期待したいところですが、株式市場全体を牽引するような大きさではないので、どのトレンドも均衡しているような状態です。
そのような状況であるうえ、今はボックス圏の中心にいることをふまえると、やはりここから上下のどちらに動くのかは、全く分からない状況です。
引き続き、どちらに株価が動くか分からないことを前提に、ここからの動向を見ていくのが良いでしょう。
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2023/2/2(木)の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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