再び日経平均27,000円割れ…週明け反発の可能性は?~2022年5月20日版~
日経平均株価が、27,000円を割れこんだともあり「今は下落トレンドなのでは?」と不安になっている人はいますか?反対に、「そろそろ底値では?」と、週明けの反発を期待している人はいますか?
先週に続き、日経平均株価を基準に日本株市場を見ると「上昇した分だけ下落し、下落した分だけ上昇」と、ボックス圏を象徴するような動きを見せています。
ここから日本株は、どうなるでしょうか?そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に独自開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきましょう。
今週の株式市場動向
こちらをご覧ください。こちらは5/6~5/19の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、今週の株式市場は、日経平均株価を基準に見ると、ボックス圏を象徴するような動きであったが、とても珍しい動向が見られました。
その珍しい動きとは、今週5/16~19の4日連続で「空売り指数」が、株トレンド指数の中で最も高い状況です。
株式市場全体を牽引するようなトレンドではないが、各トレンドの中で最も高い状況です。
このような状況は年間でも1度あるか分からないものですので、とても特殊な動きをしたのが今週の株式市場と読み取れるでしょう。
それをふまえると、日経平均株価を基準にトレンドを捉える投資家にとっては、やや難解な週であったかもしれません。
もちろん、その理由は空売り指数のこともありますが、押し目買い指数を除き、天井指数と底値指数も空売り指数の水準に近い状況だったから、より難解だったと考えられます。
反対に、私たちのように株トレンド指数でトレンドを捉えている投資家にとっては、「空売り指数=上昇し過ぎている」と把握しているので、日経平均株価の動きが示す通り、上値が重たい展開であったと考えられます。
これまでも、上値が重たい展開はありましたが、通常は、株式市場全体が、上に向かうパワーと下に向かうパワーのパワーバランスが均衡している状況のときでした。
しかし今回の展開は、市場全体を牽引するほどではないものの、空売り指数の株式市場の上昇にブレーキを掛ける珍しい状況でした。
このような状況は、まれですので、株トレンド指数ではなく、日経平均株価を基準にトレンドを捉える投資家にとっては、「よく分からないが上値が重たい」と不思議な状態だったかもしれません。
なお、直近2ヶ月の状況を見ると、今週の株式市場も、引き続きボックス圏を推移していることが分かります。
日経平均株価が26,000円割れからは回復したものの、27,000円まで回復せず、再びどちらに向かおうとしているのか、方向感が出ていない状態です。
今週は日経平均株価が約508円下落する場面も見られましたが、2%を超える水準の下落まで到達していません。直近で最も大きな下落は5/9の2.5%です。
3月の状況をふまえると、そこからダラダラ下がっているようにも見えますが、日経平均株価の変動を見る限り、日本株市場は、引き続きボックス圏を推移していると読み取れます。
なお、この数ヶ月のトレンドを「下落トレンド」と捉えている人が見受けられます。もちろん、時間軸の取り方によってトレンドの捉え方は変わります。
しかし、直近1年程度で見ると、やや下落しているものの、まだボックス圏を推移していると考えられます。
昨年9月の短期的な上昇トレンドを除いては、株式市場全体を牽引するほどのトレンドが発生していないとも考えられます。
それをふまえると、引き続きボックス圏を推移する難しい展開が続くのではないかと考えられます。
週明けのポイント
上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数「OVER指数」と、大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数「RISK指数」をふまえると、このようなポイントが読み取れました。
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
【上昇の可能性は?】
OVER指数の直近の動向を見る限り、週明け反発の可能性は、五分五分と読み取れるだろう。どちらつかずになってしまうが、OVER指数をふまえると、そう読み取れる。
先週までは、RISK指数がプラス圏にある状態での、OVER指数の低水準であったので、明らかに株式市場全体が、上昇よりも下落に引っ張られている状態であった。
しかし、今週はRISK指数がマイナス圏に入った状態で、OVER指数がマイナス圏に突入している。このような状態のときは、これから上昇が起きる可能性がある。
ただし、ダマシという言葉の通り、上昇する確率は40%程度なので、あくまでも可能性の範囲でとどめて置くのが良いだろう。
また、局部的に見ると、直近のOVER指数の動向は、急騰か上昇トレンドが発生する前兆の可能性もある。
しかし、ボックス圏が続いている背景もあるので、過度に期待せず、引き続きボックス圏を想定し、ボックス圏の範囲内での上昇にとどまる程度で考えておくのが良いだろう。
(※引き続き、OVER指数の監視が必須)
【下落の可能性は?】
RISK指数の直近の動向を見る限り、ようやく常にリスクが頭の片隅に置かなければならない状態から脱したように読み取れる。
ただし、楽観視はできない。直近に4日連続でマイナス圏に突入したが、まだ大きくマイナス圏を割り込む状態にはなっていない。
悲観的に見ると、一時的に下落方向へのパワーが失速しただけで、再び下落方向へのパワーが出てくる可能性もある。底値指数の状況を見ても、完全に楽観視できるような水準ではない。
よって、あくまでも先週までよりはリスクが減っただけで、まだ楽観視してはいけないと考えるのが良いだろう。
もし、OVER指数の動きがダマシであった場合は、再びボックス圏の範囲で短期的に下落方向に動く可能性もある。
まだ、ボックス圏を推移していることを想定し、上下のどちらか一方向に動くことへの期待は、あまり大きく持たないほうが良いであろう。
(※引き続き、RISK指数の監視が必須)
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2022/5/19時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
この記事の「株トレンド指数」を使うことで、相場の天井付近や底値付近を、できるだけ具体的に知ることができます。もし、あなたも実際に有効な「売買のタイミング」を習得したいなら、この記事で使用している『株トレンド指数(無料版)』を今すぐ手に入れてください。
この記事で使用している【株トレンド指数(無料版)】を受取るにはこちらをクリック
【無料】で『株トレンド指数(無料版)』を受け取るには、今すぐこちらをクリックしてください。
この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
【高橋佑輔の関連記事】