日本株急落…どこまで下がる?~2022年1月28日版~
日本株市場に、いよいよ方向感ができてきました。しかし、その方向感は、期待とは違い、日経平均株価の急落や連日の年初来安値更新が示すように、下落方向に向かっています。
1/27には、日経平均株価は約840円急落し、暴落と言っても良いような状況が起きました。そして、とうとう、3万円を目前にしていた日経平均株価は、26,000円台まで下落しています。
ここまで下落が続くと「そろそろリバウンドするのでは?」と、ここを”底値”を思う個人投資家も多いかもしれません。
反対に「どこまで下がってしまうのだろう?」と、さらなる下落を心配している人も多いかもしれません。
そこで、私たちが日本株市場のトレンドを捉えることを目的に、独自に開発した「株トレンド指数」をもとに、今週の株式市場の動向と、今後の展開について考えていきます。
日本株急落…どこまで下がる?
まず、こちらをご覧ください。こちらは1/13~1/27の日経平均株価と、株トレンド指数の状況です。
※上記グラフは「シナジスタ」の独自システムによるデータ分析による結果です
株トレンド指数は、以下のような6つの指数で構成されています。
- 天井指数…「170」付近で、相場全体の上昇トレンドが終焉する傾向
- 底値指数…「220~420」付近で、相場全体が底値に近づき適正株価まで回復傾向
- 押し目買い指数…30に近い水準になると押し目買い戦略が機能しやすい傾向
- 空売り指数…「50」付近で、相場全体の上昇にブレーキが掛かる傾向
- OVER指数…上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数
- RISK指数…大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
これらの指数をふまえると、これまでと状況が一変していることが読み取れます。
これまで、とても長い間、上に行くのか、下に行くのか、全く分からない状況が続きました。しかし、ここに来て、ようやく方向感が出てきました。
ただし、その方向感は「下落方向」に出てきたことが、この期間の株トレンド指数の4つの指数から読み取れます。
底値指数も、昨年5月に起きた突発的な暴落のときを更新し、昨年来高値の状態まで到達しています。そして、それに比例するように、日経平均株価も、どんどん下落していることが分かります。
そのようなこともあり、今週は日経平均株価と市場全体の動きに比較的連動性が高い状況でした。
しかし、先週後半から今週に掛けて難しかったのは、連動はしているものの、1/27に日経平均株価が約840円下落するまで、小幅に日経平均株価が下落したところでしょう。
おそらく、この期間は、日経平均株価を基準にする個人投資家にとって、日経平均株価の下落幅よりも、個別株の動きが軟調、もしくは大きく下落し、差異があるときだったでしょう。
そこから、1/27に急落したことで、ようやく日本株市場が下落方向に動いていると気がついた個人投資家も多かったかもしれません。
また、先週後半から今週は、株トレンド指数を構成する4つの指数のうち、底値指数以外が、ほとんど出てこない状態に陥りました。
ここからは、まだ日経平均株価28000円台などにリバウンドするのは難しいと読み取れます。
上昇を示す天井指数、押し目買い指数、上昇し過ぎを示す空売り指数など、上昇銘柄の存在を示す3つの指数が、どれも皆無に等しい状況です。
これまでのデータ分析を見る限り、このように下落方向が強い状況で、急激にこの3つの指数が上昇することはありません。最短でも2~3日要します。
そのような背景も考慮すると、今週の日本株は週明けもこの下落方向の動きが継続すると考えられるでしょう。
もし、ここから上昇方向に動くとしても、週明け半ばなど、週明け早々は難しいと、これまでのデータ分析からは考えられます。
1/27に底値指数が昨年来高値を更新していますが、まだここが日本株の底と考えるのは、リスクがあるでしょう。
週明けのポイント
上昇の前兆や天井の前兆が読み取れる指数「OVER指数」と、大幅下落や暴落の前兆を読み取れる指数「RISK指数」をふまえると、このようなポイントが読み取れました。
※OVER指数・RISK指数は上記グラフには表記されていませんのでご注意ください
【上昇の可能性は?】
OVER指数の直近の動向を見る限り、週明け早々に、下落前水準の日経平均株価28000円台などに市場全体が上昇するのは難しいと読み取れる。もし、上昇するとして、早くて週明けの後半から少しずつ上昇する程度であろう。(いち早く、トレンドの変化を見るには、週明けのOVER指数の監視が必要)
【下落の可能性は?】
RISK指数の直近の動向を見る限り、まだ判断は難しいものの2020年のコロナ・ショックのときと動向が類似している。それを考慮すると、まだ底値と判定するのはリスクがある。ここから、さらに大きな下落があることも、一つのシナリオとして想定し、リスク管理を徹底するのが良いであろう。(いち早く、その予兆を把握するには、OVER指数と同様に、日々にRISK指数の監視が必要)
※1.こちらの分析結果はあくまでも日本株市場全体の傾向をもとにした内容です。個別株の動向と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも市場全体の動向として、ご参考くださいませ。
※2.本記事は2022/1/27時点の株式市場の状況をもとに執筆しました。データや分析内容については、誤差が生じる場合がございます。予めご了承くださいませ。
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この記事を書いている人
高橋 佑輔(たかはし ゆうすけ)
トレード歴12年以上の現役ベテラントレーダー。2008年より開始し、過去12年間で11年利益を上げる。相場の値動きの「法則」を発見し、その法則を戦略化したシステムトレードで自己資金を運用中。12年間でたった一度負けがあっただけで、11年間安定的な成績を上げ、堅実に利益を積み上げる。高橋佑輔執筆【eBook(電子書籍)『日本株再入門』】の無料配布はこちらをクリック。
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