予想PER13倍割れは底打ちの目安か

2018/03/16

2月の急落で日経平均株価の予想PERは13倍割れ

日経平均株価の予想株価収益率(PER)は、2月に入ってからの急落で13倍を割り込み、3月5日には12.5倍をつけました(図表1)。15日時点の予想PERは12.8倍とやや戻しています。

PERは株価が1株あたり純利益(EPS)の何倍かを表します。純利益には前期の実績や、今期の予想利益を用いるのが一般的です。株価と会社の収益力の関係を見る指標で、過去の水準と比べ、高ければ株価は割高(買われ過ぎ)、低ければ割安(売られ過ぎ)と判断する目安になります。また、業績への期待が高まり、将来の利益の拡大を先取りして株価が上昇すると予想PERも上昇、逆に業績への期待が後退し、株価が下落したことで予想PERが低下するといった、業績への期待を反映した指標との見方もできます。予想PERは今期の利益予想と株価から算出されますが、本決算の発表⽇翌⽇から当期の予想利益に切り替わります。

3月決算の企業が多いため、年明け後の株価は、今期の利益だけではなく、翌期の業績を織り込みながら推移する傾向があります。昨年のように、ドル円が企業の想定為替レート(2016年12月の日銀短観での2016年度の想定為替レートは104.90円)より円安水準で推移し、業績の上振れ期待が広がる局面では、予想PERは高めの水準で推移します(図表2)。そして、決算発表後に前期より増益となる当期の予想利益に切り替わると、予想PERは低下します。

一方、足元では昨年と異なり、ドル円が企業の想定為替レート(2017年12月の日銀短観での2017年度の想定為替レートは110.18円)より円高水準で推移しています。来期の利益の伸びが鈍化するとの観測から株価が下がり、予想PERが低水準で推移している格好です。

2014年以降の予想PERの動きをみると、本決算が出そろう5月以降は次の期の予想利益で置き換わり、10月、11月にかけて、過去平均の15倍前後に収れんする傾向がみられます(図表3)。

▣  業績が横ばいでもPERが戻れば

2013年以降、予想PERが13倍を割り込んだのは、2016年2月、2016年6月~7月、そして今回の2018年2月~3月。2016年の2局面については、いずれも13倍割れで底打ちしています。

今後の株価については、円高が企業業績の重しになりそうですが、現状の為替水準でも来期増益が見込まれることが支えになりそうです。保守的に来期の利益の伸びを横ばいと仮定し、予想PERが2016年以降の平均的な水準まで戻るとした場合の日経平均株価の水準は、2万4,800円強となります。

トランプ大統領が、国際協調派と見なされてきたコーン国家経済会議(NEC)委員長、ティラーソン国務長官を解任し、保護主義政策への警戒が広がっているのに加え、国内でも円高に加え、森友問題の深刻化などが投資家心理を冷やし、PERを押し下げています。とはいえ、来期の企業業績が大幅な減益とならない限り、底堅い株価の推移が見込まれます。

(注)日経平均株価は採用銘柄の株価合計を採用銘柄数で割るといったような単純平均方式で算出されるのに対し、PERは採用銘柄の時価総額(株価×発行済み株式数)の合計を採用銘柄の利益(EPS×同株式数)の合計で割って算出(加重平均)されます。日経平均株価とPERは異なる基準で算出されているため、日経平均株価をPERで割って、EPSを逆算することには無理があると指摘されています。
ここでは、新聞などに掲載されている加重平均(採用銘柄の時価総額や利益合計から算出)の予想PERを取り上げましたが、採用銘柄の株価と利益を単純平均して求めるPERについても、水準こそ違いますが傾向は同じです。3月5日に15倍を割り込みましたが、その後はやや持ち直し、3月14日時点では15.4倍、今期の予想EPSは1,414円程度になります。また、単純平均の予想PERの2016年からの平均は17.5倍強です。来期の予想EPSを今期から横ばいの1,414円と仮定し、予想PERが17.5倍強まで戻るとすると、日経平均株価は2万4,800円程度と上記とほぼ同様の結果になります。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/env/

 

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