今週の注目レポート (5月9日)

2025/05/12

【F’sセレクション】
チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近1週間に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。

●デンソー(6902)【 1→1】
「26/3期は大幅営業増益、営業過去最高益更新を計画」
25/3期は顧客OEMの生産台数が伸びず操業度が悪化しても大幅営業増益、営業過去最高益となり、収益力の向上を示す好決算となった。顧客の生産台数が伸びぬ状況下でも、電動化及びADAS関連製品の装着拡大が着実に図られており、内燃機関製品から環境・安全といった成長分野へのポートフォリオの入れ替えを好業績につなげたことが評価できる。営業過去最高益更新を見込む26/3期計画には、適用ルール(税率、OEMとの負担割合等)がまだ決まらぬトランプ関税の影響は織り込まれていないが、高い競争力を背景とした電動化、ADAS関連等、成長分野の伸長により、仮に一時的にトランプ関税の影響により、今期計画が達成できずとも、中期的には今期計画以上の業績を確保するとTIWではみることに加え、株価下落で株価指標面にも割安感が強いため、目標株価は3,600円を維持し、投資評価は「1」を継続する。
予想ROE:9.6% PBR:1.1倍、来期予想PER:9.8倍、来期予想EPS成長率:6%
株価(5/9 終値):1,931.5円 Fモデルによる理論株価:2310円(4月30日by高田悟)

●豊田通商(8015)【 2+→2+】
「25/3期の純利益は過去最高、26/3期は減益計画も実力値では増益を同社は予想」
25/3期は純利益が過去最高益更新の好決算。トヨタ自動車生産が伸びぬ事業環境下で最高益を確保したことでトヨタ生産と同社業績との連動が徐々に薄れ事業体質の筋肉質化が進んでいることを印象付ける決算となった。26/3期計画では純利益は減益を予想も、為替影響や25/3期の一過性損益の反動影響を除く実力値では全ての本部で増益を見込み、全体で実質増益を同社が見込んだことや、株主還元強化方針を示したことがポジティブである。更には、26/3期計画には上振れ余地があるとTIWはみることに加え、グローバルサウスに強く、電動車に必要なキーデバイスを同社が確り押さえていることなどを踏まえると中期的にも成長が期待でき、こうした中、26/3期TIW予想PER8.7倍の株価は評価不足とTIWは考えるため、投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:12.6% PBR:1.2倍、来期予想PER:7.9倍、来期予想EPS成長率:9%
株価(5/9 終値):2,977円 Fモデルによる理論株価:4444円(5月7日by高田悟)

 

TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。
算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。

株式会社ティー・アイ・ダヴリュ
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独立系証券リサーチ会社TIWのアナリスト陣が、株式市場における時事・トピックスや業界動向など、取材に基づいたファンダメンタル調査・分析を提供するともに、幅広い視野で捉えた新鮮な情報をお届けします。

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