今年のFOMCメンバーと利上げ見通し

2018/01/19

▣ FOMCメンバーが大きく入れ替わる

2018 年1 月の米連邦公開市場委員会(FOMC、1/30-31)から、投票権を持つメンバーが4 名入れ替わるとともに、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が2月3日に任期満了となり、FRB理事のパウエル氏が新議長に就任します。また、グッドフレンド氏が理事に指名され、議会の承認待ちの状態、昨年辞任したフィッシャー副議長の後任も近々指名されるとみられます。イエレン議長に近いダドリー・ニューヨーク連銀総裁も、今年半ばに退任する予定です。今年のFOMCは昨年と比べ大きくメンバーが入れ替わることになります。

▣ ややタカ派に

FOMCは、FRBが開催し金融政策を決定する委員会。投票権を持つFOMCメンバーは、常任がFRBの執行部(理事)7 名(現在は4名欠員で3 名、1名承認待ち)とニューヨーク連銀総裁、残り4枠がニューヨーク連銀を除く11 地区の連銀総裁の輪番制となります。他の連銀総裁はFOMCには参加できますが、投票権はありません。

輪番制の4名については、昨年は12月のFOMCで利上げに反対したハト派(利上げに慎重)のエバンス・シカゴ連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁を含み、残り2名はハト派とタカ派(利上げに前向き)との間の中道派で構成されていました。

今年は輪番制の4名については、ハト派はいなくなり、中道派もしくはタカ派で構成されるとみられます(図表1)。バーキン・リッチモンド連銀総裁については1月に就任したばかりで、金融政策のスタンスはまだ分かっていませんが、リッチモンド連銀はタカ派色が強い傾向があります。

▣ タカ派のメンバーでも今年の利上げ回数(中央値)は3回。ただ4回のハードルは低くなる可能性

昨年12月のFOMCメンバーの政策金利見通しと最近の発言から、今年の利上げ回数を推察すると、投票権を持つメンバーの平均回数は2.9~3回となり、昨年の2.1~2.3回より大きく引き上がります。もっとも、中央値は3回でメンバーが入れ替わっても変わらずとなります。ただ、経済指標次第ですが、3回より増える可能性にも注意が必要です。

利上げについては3月、6月の利上げを市場は織り込みに行っている状況。その後は年内に利上げが1回あるかないか。昨年は、3月、6月、12月に利上げしました。9月は、利上げは見送りましたが、バランスシート(米国債などの保有資産)の縮小を決定しており、何もしなかったわけではありません。消費者物価や雇用統計などの経済指標次第では、4回の可能性も出てきそうです。

3月のFOMC(20-21日)での利上げはほぼ織り込み済み。目先は、副議長人選、2月のパウエル新議長の議会証言などが注目されます。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/env/

 

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