グロース vs. バリュー
▣ グロース/バリューの格差拡大
グローバルな株式市場では2007年以降、グロース株(成長株)がバリュー株(割安株)に対し、相対的に優位な状況が続く中、2020年はグロース株の年間のリターンが、バリュー株のリターンを36%程度上回り、過去45年間でグロース株が例のないプラスのパフォーマンスを記録しました(図表1、2)。
この2020年の急伸で、相対的なグロース株の割高感、バリュー株の割安感が一段と強まった格好です(図表3)。
▣ 2021年はグロース株、バリュー株ともに堅調な動き
2021年は、グロース株、バリュー株ともに堅調な動きでしたが、ハイテク株に代表されるグロース株の相対的な強さはみられませんでした。
インフレ圧力の強まりを背景に、特に米国などで利上げ観測が浮上し、金利上昇に弱いとされるグロース株が打撃を受けるとの観測に加え、巣ごもり需要やリモートワークなどの追い風が徐々に後退するとの見方も背景にありそうです。
▣ 前回の利上げ局面ではグロース株も堅調な動き
米国の利上げについては、3月に開始されることがほぼ確実視されています。
前回の2015年12月からの米利上げ局面では、グロース株は堅調に推移し、一概に金利上昇に弱いとは言えません(図表4)。
ただ、前回は予防的な利上げで、インフレ圧力はさほど強まっていない状況でした。量的緩和政策で買い入れた米国債などの保有証券の縮小(テーパリング)を2014年10月に終了し、2015年12月に利上げを開始しましたが、次の利上げは1年後と、比較的緩やかな金融引締めでした。
▣ 今回の利上げ局面では
他方、米連邦準備制度理事会(FRB)は年明け以降、テーパリングを加速させており、テーパリングの終了とともに利上げを開始するとみられます。インフレが高進する中、FRBは前回よりも積極的な金融引締めを進める可能性があります。
グロース株の成長性は魅力ながら、相対的に金利上昇に強く割安感が残っているバリュー株を見直す動きも出てきそうです。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/env/
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