2018年の10大ニュース:米中摩擦、株価下落、米朝会談など
株式市場は、この年末を重い気分で終えそうです。ただ、世界では今年、悪いことも良いこともありました。世界的な影響という点で特に重要なニュースは、以下のとおりです(選択・順位は筆者の判断)。
■ 経済・金融市場部門
1位 米中貿易摩擦が激化し、相互に制裁関税発動
中国は今や、米国の覇権を脅かすほどの経済大国です(ただ、日韓ではその認識が不十分です。図表1)。摩擦が生じたのはそのためですが、早く和解してくれないと、日本の株価もさえないままでしょう。
2位 米国は好景気を享受、中国・欧州・日本の景気は減速
米国を除き、主要国の景気は低調でした。ただし減税効果が薄れるにつれ、米国も来年は減速しそうです。とはいえ米国の景気後退(マイナス成長)は予想されず、最近の株安は行きすぎと考えられます。
3位 金融緩和依存から段階的な金融引き締めへ
米国は利上げを進め、ユーロ圏は量的緩和の終了を決め、日本も静かに正常化(日銀の国債買入れ減額など)を実施中です。しかし金融引き締めに耐えられるのか、株式投資家は確信を持てずにいます。
4位 米国株や中国株が大幅下落(日本株も追従)
株価下落の要因は多数指摘されていますが、要するに、トランプ米大統領の悪い面(白人至上主義など)から目をそらして急上昇した昨年の反動、と言えます(図表2)。「トランプバブル」の終了です。
5位 トルコやアルゼンチンで通貨危機が勃発
経済の弱い国の通貨が過度に売られましたが、実際のアルゼンチン経済はそこまでひどくありません。金融市場は大げさに騒ぐものなので(足元の株価急落も)、その動きに一喜一憂しない方がよさそうです。
■ 政治・国際関係部門
1位 米朝首脳会談が実現し(6月)、朝鮮半島の緊張が緩和
北朝鮮の核・ミサイル実験は実際に停止しました(日本は蚊帳の外でしたが)。日本への攻撃を本気で心配していた人は、歴史的な米朝会談を仲介した韓国の文大統領にも、深く感謝していることでしょう。
2位 米国の中間選挙で民主党が下院を奪回(11月)
今後2年間、大統領と民主党の対立で、米政治(予算策定など)は混沌とするでしょう。しかし、無意味な減税や効果の小さい「国境の壁」建設を断行するよりは、政治の機能麻痺の方が「まし」です。
3位 シリアなど中東の紛争が続く
中東は依然、世界の火薬庫です。内戦が続くシリアでは4月、米軍がアサド政権の施設を爆撃しました。最近、トランプ氏はイスラム国(ISIS)に対し勝利を宣言しましたが、これは誤った判断です。
4位 欧州統合に対し多くの逆風
英国は欧州連合(EU)離脱をめぐり迷走中です。ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領については、求心力が衰えています。ポーランドやハンガリーの右傾化も、欧州の結束を妨げました。
5位 注目すべき政権交代が相次ぐ(特にマレーシア)
イタリア、ブラジル、メキシコでは、「ポピュリスト」が総選挙や大統領選挙を制しました。一方マレーシアでは、汚職まみれの強権政権が民主的に倒されました。政治腐敗と闘う人々への、一筋の光です。
図表入りのレポートはこちら
https://www.skam.co.jp/report_column/topics/
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会