米国の中間選挙-意味と展望、金融市場への影響

2018/09/27

トランプ旋風が表すもの

11月6日に実施される米国の中間選挙は、この超大国の行方を考える上で最大級の重要性を持ちます。

つまりトランプ大統領の属する共和党が圧勝すれば、「トランプ旋風」は米国の一時的逸脱ではなかった、となります。現状に不満を持つ人々が、異端者を大統領に選ぶことでエリートに「お灸をすえた」、といった解釈では済まなくなるのです。そして、米国は戦後の秩序や価値観に背を向け、孤立の道を選んだ、との理解が妥当となります。2020年の大統領選でトランプ氏が再選される可能性も高まります。

中間選挙について

中間選挙とは、4年ごとの大統領選の「中間」に行われる、議会選や州知事選の総称です。大統領を決めるものではないとはいえ、その2年間の実績を国民が審判する「大統領の信任投票」と言えます。

特に注目される連邦議会選では、下院の全議席および上院の約3分の1が争われます(それぞれ日本の衆議院、参議院に近いが、上下両院間の優劣は特にない)。現在はいずれも共和党が過半の議席を占めています。そのどちらか、あるいは両院に関し、民主党が過半数を奪取するか否かが最大の焦点です。

下院は民主党勝利か

現時点では、下院では民主党が勝利、上院は共和党が過半数を維持、というのが素直な予想でしょう。

有権者の意向をみると、明らかに民主党が優勢です(図表1)。追い風となっているのはトランプ氏への反感です。昨年来の補欠選挙(欠員となった議席の臨時選挙)などでも、民主党候補者の勝利や健闘が顕著でした。これらを踏まえると、たしかに下院では70%以上の確率で民主党の勝利が見込めます。それでも100%に程遠いのは、多くの選挙区割りが共和党に有利な形となっているからです(一票の格差)。また、「反トランプ」の人が多い女性、若年層、非白人の投票率も、選挙結果に大きく影響します。

上院は共和党が過半数を維持か

上院選では、民主党が現状よりも2議席だけ増やせば過半数を奪えます。しかし、改選35議席のうち26が民主党の現有議席です(共和党は9)。よって民主党には、例えば26議席を全て死守した上で、共和党から2議席を奪取することが求められます。不可能ではないものの、極めて高いハードルです。

上下両院で多数党が異なる事態となった場合、法案成立には民主党と共和党の妥協が必要になります。しかし、鋭く対立する両党が歩み寄るとは思えません。そのためトランプ政権は、重要法案を成立させることがほとんどできなくなります。また民主党は、「ロシア疑惑」などを厳しく追及するでしょう。

結果はどうあれ、株価上昇を期待

しかし金融市場は(恐らく安倍政権も)、トランプ政権のレームダック化(何もできない状態)をむしろ歓迎するはずです。米国第一主義の暴走が世界を脅かす今、これを抑えることが望まれるからです。

とはいえ選挙結果がどうなっても、米国株(日本株も)は一旦上昇する可能性が高いと言えそうです。経験則としても、中間選挙前後から9か月ほど米国株は上昇しやすいことが知られています(図表2)。選挙を取り巻く不透明感が和らぐだけでも好材料となるのでしょう。しかし本当に重要なことは、そうした目先の市場変動に目を奪われるのでなく、選挙結果が暗示する米国の将来像を見極めることです。

図表入りのレポートはこちら

http://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=8&type=topics

 

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