米大統領選:ハリス氏の登場でトランプ氏が一層窮地に

2020/08/17

コロナウイルスによって米国の政局も激変

コロナウイルスで多くのことが変わりました。その一つが米大統領選の様相です。トランプ氏(共和党)有利とみられた今年11月3日の選挙ですが、ウイルスの流行で、再選が危うくなっているのです。

その流行に伴う景気悪化により、3%台だった失業率は2桁へ上昇しました。また、ウイルス危機への対応は、極めて低い評価を下されています(図表1)。これらを受け、トランプ氏の支持率は現在、民主党の大統領候補(ジョー・バイデン氏)に対し、約8ポイントも下回っています(主要世論調査の平均)。

ハリス氏選出で民主党はさらに勢いを増す

民主党は、さらに勢いを増すでしょう。バイデン氏が先週、民主党の副大統領候補としてカマラ・ハリス氏(現上院議員)を選んだからです(大統領選では大統領候補と副大統領候補が「ペア」になる)。

同党では、穏健派と急進派との不協和がよく問題となります。この点、ハリス氏はバイデン氏と同じく穏健派とされますが、ハリス氏の姿勢は柔軟で、人種差別の是正などでは急進的な面もあります。よって、党内の団結を促すことが可能でしょう(ただ、ハリス氏の姿勢に懐疑的な急進派も散見される)。

「バイデン氏/ハリス氏」のペアは強力

また、ハリス氏は非白人の女性であり、マイノリティ(社会的少数派)の票を集める上で、多少なりとも貢献しそうです。米国では今、コロナウイルスや経済と並び差別問題が焦点なので、なおさらです。

かつ、ハリス氏は検察官の経歴を持ち、非常に舌ぽう鋭い人物です。そのため、トランプ氏らとの論戦でも、互角以上に渡り合うはずです。これは、バイデン氏がやや切れを欠く部分です。そういった弱点を補うという意味でも、「バイデン氏/ハリス氏」というペアは、申し分のない組み合わせと言えます。

トランプ氏敗北の確率は前回よりも高い

ただ、バイデン氏らの勝利は決定的、とは言えません。4年前の大統領選でも、民主党(クリントン氏)が優勢、トランプ氏が劣勢、という見方が支配的でした。それが覆された衝撃は、忘れられません。

しかし今回、トランプ氏はもっと劣勢です。何より、危機対応に疑問が呈されているからです。また、民主党が前回敗北した要因は、党内の不協和や黒人(同党支持者が多い)の投票率低下などでした(図表2)。そうした問題は、ハリス氏が副大統領候補に選出されことなどから、今回は軽減されそうです。

民主党が全勝すれば景気対策がスムーズに

この選出は、金融市場でも、おおむね好感されています。「バイデン大統領/ハリス副大統領」であれば、金融機関やテクノロジー企業の規制についても穏健なものにとどまるだろう、というのが理由です。

ただし、大統領選と同じ日の議会(上院と下院)選も重要です。では、バイデン氏らが勝利した場合、米経済にとり最も望ましいのは、どのような結果でしょうか。それは、上下両院とも民主党が制するケースでしょう。そうなれば、一党主導の政策運営が可能となり、景気対策も成立しやすくなるからです。

図表入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/newest_report/contents_type=8&type=topics

 

 

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