来週の金融市場見通し(2018年12月3日~2018年12月7日)

2018/11/30

■来週の見通し

主要20か国・地域(G20)首脳会合にあわせて行われる米中首脳会談では、中国が経済政策の抜本改革に向けた新たな交渉を米国と始める一方、米国は来春まで、追加関税を課す新たな制裁を凍結することが検討されていると伝えられています。予断を許しませんが、貿易協議が進展すると、安心感が広がる可能性があります。6日の石油輸出国機構(OPEC)総会、週末の米雇用統計なども確認したいところです。

◆株価 : 上値を追う展開か

日本株は上値を追う展開が予想されます。米国の利上げペースは来年鈍化するとの観測が、当面の世界株を下支えすると見込まれます。また、12月1日の米中首脳会談では、新たな貿易協議の枠組み設定で合意に達する可能性が高いと考えられます。中国製品への追加関税は来春まで保留となった場合、株式市場では素直に好感されるとみられます。ただ、合意に達しない可能性も残っており、その場合は失望が広がるため、注意が必要です。

◆長期金利 : 低位もみ合いの中、やや上昇か

米利上げの早期打ち止め観測を背景に、長期金利は一時0.075%まで低下しました。今後は米中貿易摩擦の動向や米経済指標などから、米利上げの行方を探っていくことになります。米中貿易摩擦解消に向けた期待が広がると、国債は売られる(利回り上昇)ことも想定されます。30日の夕方に日銀が公表した12月の国債買入れ予定では、残存年数10年超の買入れ回数を5回から4回に減らしました。長期金利はやや上昇で反応しそうです。

◆為替 : 米中首脳会談に注目

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続観測から、基本的にはドル円は底堅いと思われます。しかしパウエルFRB議長のハト派発言から利上げ中止が近いとの思わくも高まっており、長期金利の上昇は限られそうです。また、市場は12月1日の米中首脳会談に注目しており、結果次第では大きく上下に振らされる可能性があります。しかしトレンドを形成する要因とも考えにくく、上記レンジを大きく逸脱するとは想定していません。

◆Jリート : 利益確定売りに押される場面も

引き続きオフィス市況の好調さなどが意識されていることや、長期金利がじりじりと低下していることを背景に、Jリートは堅調な動きが継続しました。東証REIT指数は28日には、1,821ポイントと約1年9か月ぶりの高値を付けました。長期金利が低位で推移する中、東証REIT指数の予想分配金利回りは4.0%強と、相対的に高水準です。利益確定売りに押される場面も想定されますが、押し目買いが下支えしそうです。

来週の注目点

毎月勤労統計(10月) 12月7日(金)午前9時発表

従業員1人あたり名目賃金は、9月に前年比0.8%増となりました。ただ、物価が上昇しているため、これを差し引いた実質賃金は同0.6%減と、2か月連続のマイナスです。10月についても人手不足を背景に名目賃金はプラスが見込まれる一方、実質賃金は小幅なマイナスとなりそうです。なお、本統計は今年1月に算出方法が変更されており(調査対象の一部入替えなど)、変更がなかったと仮定した場合に比べ、賃金上昇率が高めに示されやすい点に注意が必要です。

米雇用統計(11月) 12月7日(金)午後10時30分発表

10月の米雇用統計において、非農業部門就業者数は前月比25万人増と市場予想を上回り、失業率は前月に引き続き1969年12月以来の低水準である3.7%となりました。また、今後のインフレ動向を占う上で重要な平均時給は前年比3.1%増と前月より加速するとともに、2009年以来の大きな伸びを記録しました。

米国は個人消費を中心に景気拡大が継続しています。労働市場は極めて好調な状況が続いており、完全雇用の状態であると言えるでしょう。11月の非農業部門就業者数は前月比20万人程度の増加、失業率は3.7%、平均時給は前年比3.1%増程度と引き続き強い結果を想定しています。

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

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