来週の金融市場見通し(2017年8月28日~2017年9月1日)
■来週の見通し
米韓合同軍事演習が始まり、北朝鮮の挑発行動への警戒感がくすぶっています。合同軍事演習は31日まで続くことや来月9日には北朝鮮が建国記念日を迎えることから、予断を許さない状況が続きます。他方、トランプ大統領が、「政府閉鎖が必要になっても、メキシコ国境に壁を建設する」と発言し、市場に警戒感が広がりました。米国の債務上限問題や政府機関閉鎖についても注意が必要です。また、米ジャクソンホールでの、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長やドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の講演が踏み込んだ内容になると、欧米の金融政策を前倒しで織り込む動きが強まることも想定されます。
◆株価 : 一進一退
日経平均株価は1万9,500円付近での一進一退の動きになりました。北朝鮮情勢への警戒に加え、米国の債務上限問題や政府機関閉鎖への懸念などが重しになっています。もっとも、今期も国内企業の好業績が見込まれます。予想PER(株価収益率)が14倍を下回るなど割安感も買い材料。ただ、北朝鮮情勢については、9月9日までは予断を許さず、動きにくい状況です。米国のバランスシート縮小や年内の利上げが意識されると、ドル高・円安が進行し、上値を探る動きも想定されます。
◆長期金利 : 低位もみ合い
長期金利は、米ジャクソンホールでの欧米金融当局者の発言を見極めようと様子見姿勢が広がる中、トランプ政権の政策運営の不透明感や良好な需給を背景に、週末には0.015%と5月2日以来の低水準をつけました。日銀が残存期間5年超10年以下の国債の買入額を減額したものの、影響は限定的でした。北朝鮮への警戒が続く中、上昇しにくい状況が続きそうです。ただ、米国の年内の利上げが意識されると、国内金利も若干上昇することも想定されます。
◆為替 : 方向感を探る
北朝鮮情勢への警戒は、ドル売り・円買い材料も、週末にイエレンFRB議長やドラギECB総裁の講演を控えて動きにくく、ドル円は、109円を挟んだ方向感のない動きが続きました。イエレンFRB議長がバランスシート(保有する米国債等)縮小や利上げに前向きな姿勢を示すと、ドル高・円安に。他方、ドラギECB総裁が、資産買入れプログラムの縮小を示唆すると、ユーロ買い・ドル売りが強まり、対円でもドル売りが優勢になる可能性も。米雇用統計も確認したいところです。
■来週の注目点
米雇用統計(8月) 9月1日(金)午後9時30分発表
米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は7月に前月比20.9万人増と、市場予想を上回る増加を示しました。8月は20万人を若干下回る増加となりそうですが、引き続き堅調な雇用情勢が確認される見込みです。
これを受け、9月19、20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)において米連邦準備制度理事会(FRB)が保有する資産の縮小計画が発表される、との観測が一段と高まりそうです。
また、FRBは年内(恐らく12月)に、利上げを行う可能性があります。ただ、雇用増の多くは低賃金職の増加によるものであり、平均時給は小幅な伸びにとどまる見込みです。そのため年内利上げの有無については、不確実な状況が続きそうです。
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