2019年相場は「先取り下落」の答え合わせと対策がカギ
2018年相場もいよいよ最後の週となりましたが、週初の12月25日(火)の日経平均は急落を見せました。2万円の大台を下回ったほか、先週末終値からの下げ幅も1,000円を超えるなど、大幅下落となっています。この先の相場展開が気になる年の瀬になってしまった格好です。
株価下落の背景には、米国を中心とする世界景気のピークアウト警戒や、それに伴う企業業績の鈍化懸念、不安材料(米中関係・欧州情勢・米政権運営など)の先行き不透明感を先取りした動きに加え、悲観的なムードの高まりによる投げ売りが重なったものであると考えられます。さらに、下げのピッチの早さや、株価指標(PERやPBR)から見ても、売られ過ぎ感を指摘する声も多くなっています。
そのため、近いうちに反発局面がやってくることが見込まれます。問題はその戻り幅の大きさと、その後の経済指標や企業決算などの実際の状況が先取りしたほど悪くないことが確認されれば、株価は上方修正されていくことになります。そのため、2019年相場は足元の「株価先取り下落」の答え合わせから始まることになりそうです。
日経平均の週足チャートを見ると、2016年の夏前に始まった中期の上昇トレンドが、2度の24,000円台乗せを頂点とする、いわゆる「ダブルトップ」の天井圏が形成されつつあり、下落トレンドへの意識が強まっています。目先の反発がこうしたムードを覆すことができなければ、ある程度株価が戻ったところで再び下落に転じ、安値を更新する展開もあり得るわけです。
そこで、日経平均の推移を過去にさかのぼってみると、今回と似たような状況がありました。いわゆる「チャイナ・ショック」があった2015年から2016年にかけての時期です。当時も、2014年5月に始まった上昇トレンドが、2015年6~8月にかけて「トリプルトップ」が形成されたことで下落トレンド入りしており、天井パターン形成からの下落という点では現在と似ています。そして、夏場のチャイナ・ショックによる相場急落が落ち着き、いったん株価が大きく反発し、このまま復活すると思いきや、再び下落の波が訪れて安値を更新していくといった動きとなりました。
具体的には、2回目の下落の波が訪れたのは2015年12月〜2016年2月なのですが、冴えない経済指標などを背景に中国景気の減速が不安視されていました。つまり、1回目の「先取り下落」の答え合わせの出来があまり良くなかったことになります。また、株価が先行して下落したことによる「逆資産効果」によって、実体経済や企業業績が株安に追随するかたちで結果的に悪化してしまう面も考えられます。
さらに、2回目の株安局面ではFRBが利上げを見送ったり、日銀もマイナス金利を導入したりと、景気を支えるための金融緩和策が次々と打たれた時期でもあります。ただし、現在の状況を見ると、金融緩和の副作用への批判が強まっているため、いざ実体経済が悪化した時の対策手段が限定的になりそうである点は留意しておいた方が良さそうです。
そのため、目先の反発局面に対しては素直に付いて行って良いかと思われますが、その後にやってくる2回目の下落には注意が必要なのかもしれません。
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