米大統領議会演説後の株高は新たな相場の始まりか?
今週最大の注目イベントであるトランプ米大統領による議会演説が、日本時間で3月1日の午前11時(米国時間で2月28日午後9時)に行われました。
演説を受けての金融市場はポジティブに反応しています。その日の日経平均は前日比で275円上昇し、翌3月2日の取引も、1月5日の年初来高値(19,615円)を超える19,624円でスタートしています。お膝元の米NYダウも303ドル高となり、21,000ドルの大台に乗せています。初期反応としては、新たな上昇相場の始まりを予感させるような印象です。
あらためて、演説内容を振り返ってみますと、関心の高かった「税制に関する驚くべき発表」についての具体的な言及はなく、演説中に述べた、1兆ドルのインフラ投資や、TPPとオバマケアの廃止などについても、特に目新しい材料が出たわけではありませんでした。その一方で、過度な保護主義的な姿勢や、他国に対しての攻撃的な発言もありませんでした。ざっくりまとめると、「特に期待も盛り上がらなかったが、不安も高まらなかった」と言えます。
ただ、議会演説が無難だったことで安心感が広がり、米国のマクロ環境の堅調さと利上げ観測に視点が移ったことで株高が演出されたと言えそうです。この日に米国で発表された2月のISM製造業景況感指数は2014年8月以来の高水準でしたし、先日発表された2月CB消費者信頼感指数も2001年7月以来の水準と、米国経済の好調さが窺えます。こうしたことを受けて最近はFRBの要人から利上げに前向きな発言が相次いでいます。
また、週末にはイエレンFRB議長やフィッシャーFRB副議長の講演が予定されているほか、米雇用統計も来週末に控えていて、3月14日~15日のFOMCに向けての利上げ観測が相場に影響を与えるメインテーマになると思われます。
一方、トランプ政権については、まだ議会の承認が得られていない閣僚もいますし、現場の体制も整っていない状況ですので、具体的な政策内容とその実行力が見極められるにはまだ時間が掛かると思われます。政権に対する思惑と現実のマクロ環境とのバランスが今後の相場を判断するポイントになりそうです。
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