アベノミクス第一弾の織り込みは終了

2013/02/15

2月もちょうど半ば。まだ寒いものの、少しずつ日が伸びていくのが実感できる季節である。

まずは1月のモデルポートフォリオのご報告から始める。

1月のマーケットは日米市場とも大幅に続伸。

米国市場は2011年10月以来、1年3ヶ月ぶりの上昇。1月としては1994年以来19年ぶりの上昇率となった。「財政の崖」を巡る協議が期限ぎりぎりのところで決着し、安心感から1/2のNYダウは308ドル高と大幅上昇でスタート。米国主要企業の四半期決算が大半の企業にて市場予想を上回り、企業業績回復への期待で買いが先行。マクロ経済指標では小売売上高、住宅着工件数などが高水準となったことに加え、中国の12月の輸出額が+14.1%と大幅増となったことから中国景気減速への懸念も後退した。1月のダウは13860ドルで取引を終え760ドル上昇し月間の騰落率は+5.8%。ナスダックは3142ドルとなり157ドル上昇の+5.3%となった。
日本市場も大幅に続伸。円安が進行し対ドル91.50円、対ユーロ124.50円レベルまで円が売られたため、デフレ脱却期待が高まり輸出関連企業の業績改善をはやして全面高の展開に。また、日銀が物価上昇率を2%とする政府との共同声明を発表したことも好感された。日本株市場は海外投資家の注目を集め大量の資金が流入したことに加えて、個人投資家も活発にマーケットに参加したため、東証一部の売買代金は連日2兆円を超え、新興市場の売買代金も連日1000億円を超える大商いとなった。1月の日経平均は11138円で取引を終え、先月末の10395円から743円上昇し月間騰落率は+7.2%となったのに対してTopixは+9.4%となった。一方、小型株市場はジャスダック平均が+11.6%、マザーズ指数は+31.5%となり大型株に対してアウトパフォームした。

太田忠投資評価研究所のインターネットによる個人投資家向け「投資実践コース」の1月のパフォーマンスは+6.6%となった。累計では+70.1%(12月末+59.6%)と大きく運用資産が積み上がり、過去最高値を連月で更新。保有株式のウェートは12月末の51%から増やし1月末は60%へと増加。景気敏感株、金融株ならびに新興銘柄など幅広い銘柄群が寄与した。ヘッジ戦略は現在おこなっていないため、ネットロング比率は12月末の51%から1月末は60%へと上昇した。

日経平均は2010年4月以来2年9ヶ月ぶりに11000円台を回復した。円安トレンドは変わらず、欧州債務問題の後退、世界経済の回復基調継続、国内企業業績の改善への期待など久々に「ダウンサイドリスク」がほとんどなく、リスクオンの状況となった。

2月に入って日経平均は2010年4月5日につけた11408円を超えたものの、円安トレンドの一巡感が出て、現在はやや小康状態にある。いわゆるアベノミクスへの期待によるマーケット全体の底上げが一服し、第一弾の織り込みは終了したものと考えられる。

ここから為替水準がさらなる円安に進まない限りは、ファンダメンタルズをベースとした銘柄選別の動きになるものと予想される。投資家の眼力が試される局面入りである。

太田忠投資評価研究所株式会社
太田忠の「勝者のゲーム」   太田忠投資評価研究所株式会社
機関投資家が敗者のゲームならば、個人投資家は「勝者のゲーム」をしよう!株式投資を資産増加に直結させ、個人投資家の資産運用力向上のためのサービスを提供する太田忠投資評価研究所の太田忠のコラム。

このページのトップへ