FM 今週のポイント(7月25日)
*ヘリコプターマネーとポケモンに翻弄されているマーケットです。今週末の日銀金融政策決定会合までマーケット参加者の大規模追加緩和への期待(あるいは売り方の焦り)は萎むことは無いと思われます。先週は一時、ドル円相場が107 円台にのせ、日経平均株価は16800 円水準に到達しましたが、黒田総裁の「ヘリコプターマネーの必要性も可能性も無い」とのコメントで105 円台、16500 円台まで調整しました。黒田総裁としてはマーケットの期待の強さに辟易しているものと思われます⇒今のセンチメントでは、かなりの規模感の追加緩和を決定しても失望を誘う可能性が高いと思われます(国債買い入れ額の20 兆円の増額、ETF 買い入れ額6兆円まで増額、マイナス金利0.3%まで拡大程度は想定内)。政府も事業規模20 兆円を打ち出していますが、真水は3兆円(補正予算)しかありません⇒マーケットは今後、秋口にかけて10 兆円程度まで膨らんでいくことを期待しているようです。真水10 兆円となれば、国債を増発する他なく、日銀の追加緩和とセットで広義のヘリコプターマネー政策の完成です。この場合、永久国債、50 年債を発行しなくても通常の建設国債で十分だと思われます。このように上手く運べば(政府・日銀が一線を越えたとマーケットが認識すれば)、大幅な円安への修正、大幅な株高が示現するものと思われますが、現状では可能性は少ないと考えています(一線を越えた政策を決定する状況には無い⇒黒田総裁の言葉通り)。今週末は失望売りに備えたほうが良いと思われます。
*任天堂株は連日7000 億円を超える大商いです。週末の東証1部の売買代金は2兆4200 億円しかなく、実に29%を任天堂1銘柄が占めています。異常事態です⇒異常な状況の相場で収益を上げている投資家はごく一部に過ぎず、早く正常化することを望みます。出来得るならば任天堂株が3万円前後で安定化して、AR(仮想現実)+GPS 関連銘柄(現状の材料株物色ではない)に資金が流れることが理想です。米国のベンチャー企業Niantic が、株式会社ポケモンおよび任天堂との協業でゲームアプリ『Pokémon GO』の展開を世界各地で進め、21 日についに日本で配信が開始されました。『Pokémon GO』の特徴的な点は、スマホアプリとしては過去最速の普及ペースと、世界的に利用者が激しく移動する現象を引き起こしていることです((1)現実世界内を正確に誘導する位置情報技術、(2)仮想空間と現実世界を結びつける拡張現実技術(Augmented Reality 、AR)、(3)世界的人気IP の3要素が強く結びついたことによる)。『Pokémon GO』は利用増によるアイテム課金収入が期待できることは当然ながら、移動促進効果に着目したマーケティングへの活用(インターネットから実在店舗・ビジネスへの誘導)が注目されます(21 日にはJQ上場のマクドナルド株の売買代金が500 億円を超えた)。⇒世界的規模もしくは全国チェーンの小売店・外食・サービスと集客面で提携する可能性、鉄道の定期外利用を促進する取り組みなど、従来のモデルが格段に進化するものと思われます(単なる課金収入とは比べ物にならない経済効果を生み出す可能性がある)。日本株市場活性化には「アベノミクス」よりも世界的な『Pokémonomix』かもしれません。
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