FM 今週のポイント(4月11日)
*先週の国内株式市場は急激な円高基調に歯止めかからず、日経平均株価は約2ヶ月ぶりに16000円の大台を割れて終了となりました(6日は3年5ヶ月ぶりに7日続落を記録)。それにしても円高進行が止まりません⇒週末は一時、107 円台(2014 年10 月31 日のハロウィン緩和前の水準)を示現していますが、安倍首相の為替介入への慎重発言もあり、麻生財務相による円高牽制発言もほとんど歯止めにはなっていません。日銀短観の為替前提が117 円であることを考えると現状以上の円高はマーケット参加者の業績悪化懸念を大きく増幅することになります。米利上げ観測の後退、原油価格の下値不安(リスクオフの再燃)、G20 を控えて円売り介入の制約等の背景があり今週も円先高観との神経戦になりそうです。
*一方で東証マザーズ指数の上昇が際立っています。約3年ぶりの高値示現です(2013 年5月以来)⇒1000 ポイントの大台を突破、2月12 日の安値から何と58%の上昇です⇒世界がリスクオンに転じてからの反転率は株価指数としてはトップクラス。もちろん中核銘柄である(4565)そーせいグループの寄与が大きいことは確かです(時価総額で18%を占める)⇒2月の安値から2倍以上になっています(週末も一時ストップ高を記録して他のバイオ関連銘柄を勢い付かせた)。これまでのマザーズの歴史を振り返ると、1000 ポイントの大台は長続きしていません。しかし、今回、この1000 ポイントのゾーンを大幅に突き破れば東証マザーズの大相場が見えてきそうです。
*マザーズ(新興市場を中心とした中小型銘柄群と広く考えても良い)の騰勢の背景を考えながら持続力を推定してみたいと思います。世界がリスクオンに転換しても東証1部市場等の主力株の上昇力が弱いことがマザーズ指数を押し上げている主因であると思われます。東証1部の売買代金シェア70%近くを占める外国人投資家が買わなければ主力株指数は上昇しません(今年に入り3月5週までの外国人投資家の現物と先物を合わせた累積売り越し金額は5兆5000 億円を超える。依然として買い転換は確認できない)。一方のマザーズ市場は個人投資家の売買シェアが70%を超えており、個人投資家がリスクオンになれば資金の回転が効くことになります⇒主力株の上値が重くなればなるほど個人投資家の資金が中小型株に集中することになります。しかも、円高基調による業績悪化懸念が少ない内需銘柄、テーマ性・材料性(そもそも業績で買われる銘柄ではない)銘柄が多いことも上昇モメンタムの強さにつながっています。従って、主力株の反転までは、つまり、円安基調に回帰するまではマザーズ指数の騰勢が続く可能性があります(世界的なリスクオン持続が前提)。為替反転のきっかけ⇒日銀の追加緩和(4月27・28 日)、補正予算真水5兆円以上決定、消費増税の延期(5月26 日の伊勢志摩サミット前)が考えられます。当面は円高基調が続く中でマザーズ指数の騰勢が持続するものと思われます。
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