“リアル”に対する拘り
前回は「なぜグロース投資に集中するのか」についてお話をいたしました。今回は、「“リアル”に対する拘り」について述べたいと思います。
二つ目はできるだけ“リアル”に拘りたいと思います。このリアルは、「リアルタイム(同時性)」と「リアリティ(現実性)」です。
ちょっと余談になりますが、映画を見るのに映画館に行って観るのと、DVD(Blu-ray)などで家庭のTVで見ることとの違いって何でしょうか? 映画館の方が大きな画面で音響も良いという面もありますが、環境だけなら家庭のTVでも今ではかなりのハイレベルになっています。確かに昔ながらのしょぼい映画館は潰れていますが、映画館のスクリーン数は増加しており、入場者数は減っていません(・・・・コロナ前のデータですが)。
映画館で映画を見るということはどういうことでしょうか?これはただ見るということではなく、物理的な体験でもあるからです。環境に対する認識の違いが大きいのです。スポーツの試合を生中継で見るのと録画で見るのとでは、仮に結果を知らなかったとしても応援の熱の入れ方が変わってくるのではないでしょうか?
皆さんに情報や学習内容をお伝えするのにZoomなどの動画配信を使用しますが、できるだけリアルタイム・インタラクティブにやりたいと考えております。また、録画アーカイブに関しては、基礎的な学習など限定的なものにとどめたいと思っています。
また、取り上げる企業の実例は、大学の講義のように結果が出ているひと昔前のものではなく、現在進行形のものにしたいと思います。結果がわかっている試合の解説って(勉強にはなるかもしれませんが)面白くはないですよね。
リアルタイムの解説は、間違うことも多々あるとは思いますが、それは何故見通しを間違ったのかということも経験として共有できるのではないかと思います。
この5th Stage Lab(研究室)は助言サービスというよりも投資教育の側面が強いかもしれません。それにもかかわらず助言サービス(投資顧問 助言・代理業)という形態を選択しているのは、未知のオンゴーイングの事例を扱うからです。これは法制度上のグレーゾーンを避けるためでもあります。ご理解を願います。
お読みいただきありがとうございました。
次回は、「“アクティブ投資”は株価指数に勝てない」は本当か? についてお話しします。
この記事を書いている人
藤根 靖昊(ふじね やすあき)
- 東京理科大学 大学院総合科学 技術経営研究科修了。
- 国内証券(調査部)、米国企業調査会社Dan&Bradstreet(Japan)を経て、スミスバーニー証券入社。化学業界を皮切りに総合商社、情報サービス、アパレル、小売など幅広いセクターを経験。スミスバーニー証券入社後は、コンピュータ・ソフトウエアのアナリストとして機関投資家から高い評価を得る(米Institutional Investorsランキングにおいて2000年に第1位)。
- 2000年3月独立系証券リサーチ会社TIWを起業。代表を務める傍ら、レポート監修、バリュエーション手法の開発、ストラテジストとして日本株市場のレポートを執筆。