あなたには勝てる投資家の素質があるか(1)
突然ですが、これから6つの問いかけをします。
あなたには勝てる投資家の素質があるか、考えてみてください。
あなたは自分には他の人より投資の才能(センス)があると思いますか?
具体的な根拠をいま示していただく必要はありません。それでもなんとなく向いているのではないかと感じますか?
そう思えることが投資で勝つ最初の一歩だと思います。
投資に限らず、自分には何かの対象に対して、才能があると(たとえ勘違いだったとしても)思えない人はたぶん何かを達成をすることはできないと思います。
マラソンでサブスリー(3時間切り)を達成できる人は自分にはできると信じているから達成できるのです。信じているから厳しい練習にも耐えて、継続できるのです。
私は子供の頃、ルービックキューブは自分にはできないと思ってしました。だから、出来ませんでした(今でもできません)。私の娘は(10歳に時に)できると信じたのでしょう。ルービックキューブを初めて1カ月後には2分もかからずに全面をコンプリートできるようになりました。
思い込みでも勘違いでも“できる”と信じられることが何よりも大切なのです。
もちろん、努力をしても実現できないこと、達成できないこともあります。
壁に突き当たることもあるでしょう。しかし、自分の限界を知ることができるのは自分の才能を信じて限界まで努力した人だけです。
或る大学(その大学名を知っている人は多いかもしれないが一流校ではない)の大学院生何人かと酒を飲んだことがあります。彼らは甲子園出場を果たした野球部員でした。私が「R大やH大も推薦で入れたんじゃないの?」と聞くと実際に推薦の話もあったそうです。しかし、彼らは言いました。「MやRではレギュラーになるのは難しいし、仮にレギュラーになったとしても自分にはプロに行けるだけの才能はない。本当に凄い奴等を間近で見てきただけにそれはよく分かっているし、後悔はない」、と。
だから、自分達はビジネスで勝つんだ、と。
驚いたことに彼らは流ちょうに英語も話す。大学に入学してから5年以上ビジネスで勝つために必死で勉強したそうです。
子供のころから毎日素振りを欠かさず積み上げてきた姿勢がこんなところで生きている。
ちょっと話がそれましたけど、もう一度、伺います。
「あなたは自分には投資の才能があると感じますか?」
もし、答えがイエスであるなら、それを証明してみたいと思いませんか?
<次号につづく>
この記事を書いている人
藤根 靖昊(ふじね やすあき)
- 東京理科大学 大学院総合科学 技術経営研究科修了。
- 国内証券(調査部)、米国企業調査会社Dan&Bradstreet(Japan)を経て、スミスバーニー証券入社。化学業界を皮切りに総合商社、情報サービス、アパレル、小売など幅広いセクターを経験。スミスバーニー証券入社後は、コンピュータ・ソフトウエアのアナリストとして機関投資家から高い評価を得る(米Institutional Investorsランキングにおいて2000年に第1位)。
- 2000年3月独立系証券リサーチ会社TIWを起業。代表を務める傍ら、レポート監修、バリュエーション手法の開発、ストラテジストとして日本株市場のレポートを執筆。