2月の米国景況感指標について~金融政策の行方は?

2019/02/06 <>
  1. PMIは上昇、NMIは低下しました。NMIは政府機関閉鎖の影響が一部業種に表れたと見られます。
  2. 成長ペースは、足元では+2%台半ばに減速してきたと見られ、その後も減速が続くことが示唆されます。
  3. 米金融政策は利上げ打ち止めが現実味を帯びていますが、年後半には緩和が強まる可能性があります

政府機関閉鎖も一部影響

ISM(全米供給管理協会)が発表した1月の製造業PMI、非製造業NMIは、それぞれ前月比+2.3の56.6、同-1.3の56.7と明暗が分かれました。PMIは、生産指数、新規受注指数が大幅に上昇し、全体を押し上げました。一方、NMIは、PMIとは逆で新規受注指数が大幅に低下し、全体を押し下げました。

ISMは製造、非製造それぞれ主要18業種の景況感を○(良い)×(悪い)△(不変)で公表しています。このうち非製造業は、○が12月の16業種から、1月は11業種に減少しました。×は7業種でしたが、その筆頭が小売業でした。これは、年末商戦後の反動減以上に振るわなかったことを意味しています。政府機関の閉鎖で、消費活動の停滞を招いたためと見られます。×の業種で政府機関の閉鎖に関連すると見られる産業では情報サービス、教育サービスがありました。娯楽業も×で、不要不急の消費が手控えられたと見られます。

201902063 201902064

年後半も減速傾向継続か

アトランタ連銀発表のGDP Now(各経済指標から経済成長率〔前期比年率〕を推計)によると、実質GDP成長率の推計値は、19年1-3月期が、1月PMIを織り込んだのみ(2月1日時点)で前期比年率+2.5%でした。18年10-12月期は同+2.7%で、減速傾向が続くことが示唆されます。

景気循環に先行する傾向がある各種経済指標(PMIの新規受注指数が含まれる)や市場の動きを見ると、米国景気のピークが徐々に近づいている様子が見られます。雇用、企業活動、金融市場、いずれも前月比で弱いケースが増えており、総合的に見ると18年10-12月期はほぼ横ばいでした。この動きは、実際の景気循環に対しておおむね半年程度先行する傾向があり、19年4-6月期以降も減速傾向が続くことが示唆され、今後、金融政策の緩和姿勢が強まる可能性があると考えます。

201902065

アムンディ・マーケットレポートはこちら

http://www.amundi.co.jp/report/list.html

アムンディ・ジャパン株式会社
グローバル経済、金融政策、マーケットなどの動向、展望を、投資家の皆様に向けてタイムリーに分かりやすく解説します。本体であるアムンディ・パリからの経済、市場等の見通しも随時ご紹介します。
当資料は、アムンディ・ジャパン株式会社(以下、弊社)が投資家の皆さまに情報提供を行う目的で作成したものであり、投資勧誘を目的に作成されたものではありません。当資料は法令に基づく開示資料ではありません。当資料の作成にあたり、弊社は情報の正確性等について細心の注意を払っておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に記載した弊社の見通し、予測、予想意見等(以下、見通し等)は、当資料作成日現在のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また当資料に記載した弊社の見通し等は将来の景気や株価等の動きを保証するものではありません。

アムンディ・ジャパン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第350号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会/一般社団法人 日本投資顧問業協会/日本証券業協会/一般社団法人 第二種金融商品取引業協会