インドネシアの金融政策~外部環境の変化に市場は?
- 政策金利は4.25%で据え置きでした。外部のリスク増大に対し、現行水準の維持が適切とされました。
- 通貨ルピアは、ルピア買い介入で下支えられており、当面は神経質な展開を余儀なくされると考えます。
- 株価は下落で割高感が解消し、企業業績の好調見通しも変わらないため、持ち直しが続くと見ています。
想定する成長とインフレへひとまず様子見
18-19日、インドネシア銀行(BI、以下、中銀)は定例理事会を開き、政策金利のBIレート(7日物レポ金利)を、4.25%に据え置きました。17年9月以来7ヵ月連続据え置きです。
国内経済は引き続き安定しています。3月のCPIは前年同月比+3.40%でした。食品価格上昇を背景に3ヵ月ぶりに前月比加速しましたが、インフレ目標(+3.5±1%)の中心を下回る安定ぶりです。中銀は、経済活動も足元は底堅く、18年の実質GDP成長率見通しを+5.1-5.5%に据え置きました。一方、米国の金融政策正常化の動きに加え、米中貿易摩擦、原油価格上昇など、外部リスクが増大しており、利上げ圧力が掛かる環境です。中銀は、ひとまず政策金利を現行水準に維持し、想定する成長とインフレを目指すのが適当としています。
ルピア下支えへ為替介入も動員
ルピア相場は、世界的な資本市場の動揺を受けて下落した後も上値が重く、対ドルでは1年3カ月ぶりの安値となっています。中銀は、現時点では、利上げで対応すると景気へのダメージが大きいとして、ルピア買い介入でルピアを下支えしています。外貨準備高は過去最大となった1月末(1,320億ドル)から、3月末は1,260億ドルと60億ドル減少しました。外部環境が落ち着くまでは、神経質な展開を余儀なくされると考えます。
一方、株価は、米株急落に押され、3月は下落しましたが、足元は底打ちして持ち直しています。株価下落局面の下でも企業業績見通しはほとんど変わらず、一部に割高感も出ていたものが、ほぼ解消しました。現在の株価水準は、17年12月から上昇ペースを速める以前のトレンドにほぼ戻っており、企業業績が大崩れしない限り徐々に下値を切り上げていくと見ています。
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