メキシコ、累積8回目の利上げ~今後のペソ相場は?
2017/03/31
<投資信託>
- 政策金利は6.5%と0.25%利上げされました。利上げは15年12月以来8回、累積3.5%になります。
- 通貨ペソの下落や原油価格上昇の影響で、足元はインフレ圧力が高く、当面は引き締めバイアスです。
- 政治要因によるペソ安は一服、先行きはインフレ率も低下し、ペソは底堅く推移すると期待されます。
根強いインフレ圧力と米利上げを受ける
メキシコ銀行(以下、中銀)は30日の理事会で、政策金利である翌日物金利を0.25ポイント引き上げ6.5%とすることを決定しました。15年12月から始まった利上げはこれで8回目となり、累積の利上げ幅は3.5%となりました。
トランプ米政権のメキシコに対する経済面の圧力が懸念され、米大統領選挙後、ペソは一段安となりました。また、昨年末にかけては原油価格が堅調に推移しました。これらの影響で足元のインフレ率が上がっています。2月のCPIは前年同月比+4.86%と、約7年ぶりの高い上昇率でした。食品以外の財やサービスに幅広くインフレ圧力の浸透が進んでいます。中銀はインフレへの警戒や米国の利上げに対する姿勢をにらみつつ、当面は利上げを伴った引き締め姿勢を続けそうです。
ペソは政治的圧力の織り込み一巡か
ペソの対ドル相場は、米大統領就任前日の1月19日が直近の安値(NY終値)で、その後は反発しています。対ドル相場の年初来騰落率は+10.7%と、主要通貨ではトップです。対円相場もほぼ同様で3月30日終値は1ペソ5.98円と、16年5月以来の6円に迫る勢いです。
ペソは、トランプ氏の大統領就任前のメキシコ批判で下落圧力を受けていましたが、こうした政治要因によるペソ安圧力はほぼ一巡しました。また、ペソ反発を受けてインフレ圧力も今後は和らぐと見込まれ、中銀は、18年にインフレ率が再び目標(+3%)に近付くと予想しています。ペソは下落の特殊要因が後退することで、今後底堅く推移すると期待されます。
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