ユーロ圏の5月景況感について
- ユーロ圏の5月景況感指標は、経済活動再開を受けて改善しましたが、依然非常に厳しい状況です。
- 先行きに対する期待が強まっています。4月に急激に悪化した卸・小売、サービスの改善が顕著でした。
- 7-9月期以降の景気回復を見据えてリスク環境が改善、株価、ユーロは当面底堅い推移が期待されます。
先行き期待さらに強まる
ユーロ圏の5月の景況感指標は、経済活動再開が始まり、4月よりは改善したものの、まだ非常に厳しい状況にあります。一方、先行きの景気回復期待はさらに強まりました。IHSMarkitが発表したPMI(総合)は、前月比+16.9の30.5でした。4月に下落が大きかったサービス業の反動が目立ちました。製造業も上昇しましたが、4月の落ち込みが小さかった分、上昇も小幅でした。また、CESifoが発表したドイツ企業景況感指数(ifo指数)は前月比+5.3の79.5、小幅な回復でした。商業活動再開を受けて、卸・小売業、サービス業の景況感回復がけん引しました。
市場参加者が調査対象の景況感指標では、ZEW指数※(期待)が4月の急騰からさらに上昇し、前月比+20.8の+46.0でした。年後半の景気回復に対する期待が一段と高まりました。また、センティックス経済信頼感指数☆(総合)は同+0.9の-41.8でした。これは、現況と期待の合成指数なので、現状の景気の惨状と先行きへの期待が混在した動きです。ちなみに期待指数は前月比+12.8、現況指数は同-7.0と逆の動きになっています。
※ZEW指数:ドイツの調査機関ZEW(欧州経済研究センター)がアナリスト、機関投資家、市場関係者に対するアンケート調査を基に算出
☆センティックス経済信頼感指数:ドイツの調査会社センティックス社が個人投資家、機関投資家に対するアンケート調査を基に算出
景気回復を見据えた動き
株価は、緩やかながら回復方向、為替相場は5月に入ってから円安傾向となっています。株価は3月中旬までの急落の過程で厳しい景気後退を半ば織り込んだ一方、為替相場は、経済活動再開の動きを確認しつつ、リスク回避指向が和らいでいます。
欧州各国では、6月以降に経済活動の正常化がさらに進む見込みです。市場は7-9月期以降の景気回復を見据えた展開となり、当面は株価、ユーロ共に底堅い推移が期待されます。
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