トルコの金融政策(9月)~リラ相場の行方は?
2019/09/13
<投資信託>
- 政策金利を3.25ポイント引き下げ16.5%としました。インフレ鈍化で景気重視の政策を推し進めました。
- 景気は脆弱ながら回復の兆しが見え、ここで利下げが進めば景気回復の力強い推進力になり得ます。
- 内政リスクが懸案ですが、景気が上向いてくれば減退していくと見込まれ、リラには追い風と考えます。
インフレ率低下で利下げ余地拡大
トルコ中央銀行(以下、中銀)は12日の金融政策委員会で、政策金利(1週間物レポ金利)を19.75%から16.5%へ3.25ポイント引き下げました。前回会合に続く大幅利下げで、累計で7.5ポイント引き下げられました。8月CPIが前年同月比+15.0%と鈍化傾向にあります。中銀が実施しているサーベイによると、年末は+14.0%、1年後は+12.2%まで低下するとの見通しになっており、年末に向けてさらに利下げされる可能性があると考えます。
トルコ経済は、依然として脆弱な部分を残しつつも回復の兆しが見られます。8月の製造業PMIは48.0と、17ヵ月連続の50割れながら、年初来では最高でした。また、高金利政策で需要が抑制され、経常収支が大幅利上げ前の大幅赤字から収支トントン近辺に改善しています。5月の失業率が14.0%と厳しい環境ですが、景況感の回復を受け、今後改善に向かう可能性が高まっています。こうした中、高金利政策の是正が進めば、景気回復の力強い推進力になり得ると考えます。
内政リスクの縮小も後押しか
トルコリラ(以下、リラ)相場は、利下げを受けて上昇し、対円では1リラ19円台をほぼ1ヵ月ぶりに回復しました。利下げにより、経済の正常化が改めて認識された形で、リラ資産に対する安心感が広がったと見られます。
エルドアン政権の強権的なふるまいが、内政リスクとして常にリラを押し下げる要因となっていますが、景気が上向いてくると内政も落ち着いてくると見込まれ、リラには追い風になると思われます。
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