再び2万円を目指し出した日経平均
「アフター雇用統計」となった今週の国内株式市場ですが、先月(3月)の権利落ち日以降、やや軟調となっていた日経平均が再び2万円の大台をうかがう水準まで上昇してきています。4月の新年度入りを迎え、「期初の売り」も警戒された市場ですが、これまでのところ、強さや勢いが感じられるような地合いです。
日銀をはじめ、「クジラ」と呼ばれる年金などの買いによる需給観測で相場が下がりきらない中、国内企業に対する業績期待や変化への評価の買いが続いていること、また、今週は日銀金融政策決定会合が開かれましたが、追加金融緩和への思惑による、いわゆる「日銀プレイ」も、今週末がオプション・mini先物のSQ日というタイミングでもあり、上昇に寄与したと考えられます。とりわけ、日銀の会合は4月末にも開かれることや、追加緩和への思惑が相場の材料として意識される展開がしばらく続くと思われます。
とはいえ、再び調整入りするリスクは意識しておいた方が良いかもしれません。国内企業の決算発表シーズンがこれから本格化しますが、今期の業績見通しを慎重に出してくる可能性があります。市場では15%増益を見込む声が多く、これまでの株価上昇である程度織り込んでいると思われますが、先日発表された日銀短観では、大企業の経常利益見通しが0.6%増益だったこともあって、市場の期待と企業の見通しの間にギャップが存在しており、株式市場がスピード調整を迎えるシナリオは十分に想定されます。
また、日銀の追加金融緩和についても、当初は株価上昇で反応すると思われますが、さらなる追加によるデメリットを懸念する見方があるほか、最近になって浮上してきた、米国利上げ時期の先延ばし観測も、米国の緩和継続という、「金融相場」面ではプラスですが、利上げに踏み切れない背景には米国景気への不透明感があるため、国内企業業績への影響など、「業績相場」 面ではマイナスとなる可能性もあります。
このまま、日経平均2万円台乗せも十分にあり得ますが、足元の状況を整理すると、「2万円から先」を買って行く材料が日銀の追加緩和に拠る部分が大きく、次回の日銀会合や、その前の統一地方選挙のタイミングには、特に注意する必要がありそうです。
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