第3次安倍内閣発足と2015年の相場見通し
2014年も残りあと僅かとなりましたが、今週の国内株市場は日経平均が再び節目の18,000円台をうかがう位置に付けるなど、「掉尾の一振」を地で行くような格好です。そんな最中、先日の衆院選の結果を受けて開催された12月24日の特別国会にて、第3次安倍内閣が正式に発足しました。衆議院の任期満了まで務めれば、戦後3番目の長期政権が確立することになります。
2015年の相場を国内の材料で予想する上で、アベノミクスがこのまま順調に進捗していくことがカギとなりますが、同日夜に行われた記者会見で挙げられた規制緩和や構造改革などの経済政策の方針は、これまでにも言及していたものが多く、特に目新しいものはありませんでした。アベノミクスの3本目の矢である経済政策については、「計画はバッチリだが、なかなか進まない夏休みの宿題」のような印象でもありますし、2017年の消費増税までのタイムリミットが設定されている中で、実行のスピード感が求められます。一方で、経済最優先としながらも、集団的自衛権や憲法改正にも意欲を見せており、気になるところではあります。
長期の日経平均のチャートを辿ると、2000年4月のITバブル期の高値(20,830円)と、2007年2月の戻り高値(18,300円)を結んだ線を上抜け、大きなダブルボトム(二番底)を形成しつつある格好です。このまま、ネックラインの18,300円を超えてくれば、さらなる上値を追う展開も想定されるため、まずは18,000円台乗せと18,300円台超えの実現が今後の目標となりそうです。また、「日経平均30,000円」という大胆予想の声も聞こえてきますが、このネックラインを超えた際の上昇幅をV計算値で捉えると、2007年の高値から2008年の安値の下落幅が今後の上昇幅となりますので、29,000円となり、テクニカル的にはあながち無謀な目安ではありません。ただ、長期のチャート視点であるため、2015年中の達成となると少し無理がある気がします。
とはいえ、2015年の相場見通しのメインシナリオは企業業績が相場を支えつつ、アベノミクスの進展によって、上を目指すと考え方が基本で良いかと思います。ただし、原発再稼働や統一地方選、戦後70周年を迎えるにあたっての談話に対する隣国の反応など、安倍政権の支持率を下げてしまいかねないイベントが多いことや、米国の利上げのタイミングでの世界マーケットの波乱も想定され、やや上げ下げの激しい展開となる可能性があります。そのため、2015年の日経平均の予想レンジは少し控えめな15,000円〜19,500円を想定しています。
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