「アフター米雇用統計」の国内二大イベント
7月入りとなった今週の国内株式市場ですが、日経平均は節目の14,000円水準を意識したもみ合いとなっています。先週からの急ピッチな株価の戻りに対する短期的な警戒に加え、軟調な展開が続く中国株市場、休場や雇用統計などで様子見の強い米国市場、にわかに警戒され始めたポルトガルやエジプト情勢など、相場の地合いは決して良好とは言えない中、今のところ堅調に推移していると言えます。ただし、外部環境はかなり怪しくなっており、注意が必要です。
「アフター米雇用統計」となる来週以降は、決算発表シーズンと参議院選挙という、国内の二大イベントを控え、企業業績とアベノミクスに対する再評価の動向が株価を支援できるかに注目が集まりそうです。今週月曜日に6月日銀短観が発表されましたが、全般的に企業の景況感が改善の歩みを進めている結果となりました。また、先週末(6月28日)に発表された5月全国消費者物価指数(CPI)が前年比でゼロとなり、7カ月ぶりにマイナス圏から脱出しました。足元の情勢からは企業業績の上振れとデフレ脱却への期待が続いていると言えます。
とはいえ、CPIの脱マイナスに貢献したのはエネルギー関連が主で、コストプッシュ型による物価上昇です。過去を振り返ると、昨年の10月をはじめ、たびたびCPIがゼロ以上となる場面がありましたが、今回もその構図に大きな変化はありません。アベノミクスが目指す物価上昇は、経済再生(景気回復や所得増加)による需要増加がもたらす物価上昇(ディマンドプル型)のため、参院選後のアベノミクス「第二ステージ」で何を打ち出してくるかが重要で、ここからが経済政策の本番となります。
先日(6月5日)に安倍首相が講演で述べた成長戦略第3弾は、事前報道の範囲内となり、市場参加者の間で「物足りない」との見方が広がって日本株が売り込まれたのは記憶に新しいと思いますが、参院選後の政策運営に対して、とりわけ海外投資家からの評価が得られなければ、株式市場が再び売られてしまう可能性があります。例えば、法人税の引き下げなどの税制改正、労働市場の規制緩和、国際競争力の向上につながる規制緩和、社会保障改革など、市場の関心の高い項目にどこまで踏み込めるかが注目点となります。
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